デッキの解説を見ていると、「〇〇を壁にして時間を稼いで~」という考えをみることがあります。
しかし、これはやってはいけない戦術です。

なぜか。

自分が稼いだターンと同じだけ、相手もターンを稼いでいるからです。

自分がターンを稼ぐためカード使うのに、相手は攻撃しながらターンを稼いでいるのです。
これでは有利になる道理がありません。

だから、時間を稼ぐのは基本的に悪手です。


ただし、基本があれば応用もあります。
デッキ構築において、またはプレイングにおいて、時間を稼ぐことが有効に働くこともあります。

それは「ターン当たりの展開速度が相手よりも早い場合」です。

例を挙げると...

●相手の場に2進化が複数居るが、こちらはまだ進化できていない
→ 相手の場が完成しているので、相手の場の成長は頭打ち状態です。
 対してこちらは成長余地があるので、ターンを稼ぐことで相手と自分の場の状態の差が縮まります。

●ガマゲロゲEXを壁にしてブルブルパンチをしている
→ 相手の妨害をしているので、相対的に相手より効率的に場を作ることができます。

パターンは他にもたくさんあります。
大切なのは、対人ゲームはすべてが相対的だと意識すること。
自分がしたいことをする間に、相手がもっとたくさんのことをしては意味がない。
プランをもって動くことが必要です。
大会というものを、時間の概念で考えたことはあるでしょうか?

大会とは一番強い人を決めるイベントですが、
正確にはその"時点"で一番強い人を決めるものです。

前年の世界チャンピオンであっても、重要なのは"そのとき"強いかどうか。
会計を学んだ人なら、決算日と同じだといえばわかりやすいかもしれません。

この記事では、大会における時間の概念の重要性を2つの例で解説します。


●メタゲームの静止点
メタゲームには流れがあります。

強いカードが収録されれば使用者が現れます。
それが水タイプなら、そのデッキを抑えるために草タイプのデッキが出てくるかもしれません。
草タイプが水タイプのデッキを根絶させれば、炎タイプのデッキが活躍する余地が生れます。
しかし、炎が増えればまた水タイプのデッキが出てきそう。

この例では、メタゲームは時間を追って変化しています。

水 → 草 → 炎 → 水

メタゲームが最終的にどこに着地するか、ここでは重要ではありません。

重要なのは、大会は上記のどこかの時点で行われるということです。

草タイプが流行る前に炎タイプを使えば、当然水タイプに負けてしまいます。
仮にメタゲームの流れを正確に読む力を持っていても、
大会当日にメタゲームがどの地点へ進んでいるかを予想しなければ意味がないのです。


●プレイヤーの状態
メタゲームと同じことがプレイヤーである人間にもいえます。
人間は、体調も精神も常に変動しています。

大会当日がコンディションのピークになるよう、調整しなければなりません。

わかりやすい例は、「大会の前日は早く寝よう」です。
単純ですが、大会当日のコンディションを整える試みです。
スポーツ選手などは、こういったことを高度に行っているのでしょう。

一方、成長速度という観点もあります。
未来にチャンピオンになる運命のプレイヤーがいたと仮定して、しかし最初からトップの実力を持っているわけではありません。
その大会にときは、まだ十分な実力がないかもしれません。
当日の実力が足りないとわかっていれば、実力がないなりの戦い方を考えることができます。

参考:レーリーさんによる「弱者の戦術~なぜ2回目のTAを取ったのか」
http://ririrere1214.diarynote.jp/201606242324474570/

2つの例を挙げてみました。
もっと単純に、デッキを作る時間が足りないこともあるかもしれません。

TCGや将棋などの思考型ゲームは、起こり得る盤面のパターンが有限です。※
天文学的な数ではあるものの、最適な解を総当り的に探すことが理論上は可能です。

そのため、ゲームにおける強さは「現実的な時間内に解を見つける力」、つまり早さだとする考え方もあるようです。
※デッキ枚数に上限がないゲームは、その限りではありませんが

上記は1ゲームの話ですが、規模を大会に変えても同じことがいえるでしょう。
大会当日までに、大会の時点で、もっとも強いプレイヤーになること。
そういう考え方を、取り入れてみてはいかがでしょうか。
WCSはスイスとシングルエリミネーションの組み合わせで開催されます。
このうちスイスについて、詳細はあまり知られていません。

プレイヤーとして参加するだけなら、細かいルールを知る必要はありません。
対戦相手に勝つことを目指し、場合によって引き分けを狙うという基本は変わらないからです。
それでも、興味がある人に知ってもらいたいと思い記事を作ることにしました。

マイナーな資料ですが、現地のイベントオーガナイザー向けにスイスの運用方法が公開されています。
実のところ、必ずしも資料通りに大会が運営されているわけではありません※。
しかし、基本ルールを知っておく価値はあると思います。
※例えばWCSのDay1。規定のポイントを獲得することでDay2へ進出できますが、その方式について記載はありません。

この記事ではスイスを扱いますが、ラウンドの中身であるマッチについては扱いません。
Best of Three Matchesについて別の記事で解説していますので、そちらも参照してください。

●情報参照元
http://www.pokemon.com/us/play-pokemon/about/tournaments-rules-and-resources/
Tournament Operation Procedures
※2016年9月12日現在の資料に基づき執筆

●BO3についての解説
http://blog.livedoor.jp/ootsuki_mire/archives/52039076.html


●スイスの基本
参加者全員が同じ回数対戦できる大会形式です。
このとき、2回戦目からは成績が同じかなるべく近いプレイヤー同士で対戦します。

全勝者が1人になるまでラウンド(対戦)を続けるのが基本ですが、大会によってはラウンド数が決まっている場合があります。
すべてのラウンドが終了すると、対戦成績に応じて順位が付けられます。
最も重要な成績はマッチレコードです。
勝ち数、負け数、引き分け数を見て、勝ち数が多いプレイヤーが上位、同じなら負け数が少ない(引き分け数が多い)プレイヤーが上位になります。

マッチレコードはポイント(勝ち点)にも換算されます。
勝ち1回につき3ポイント、負け1回につき0ポイント、引き分け1回につき1ポイントが付与されます。
例えば、3勝1敗1引き分けなら10ポイントになります。
マッチレコードに比べて見るべき数字が少ないので、より素早くに成績を確認できます。


●マッチング
マッチングは成績が同じプレイヤー同士が対戦するように組まれます。
1回戦目は全員がマッチレコード0勝0敗なので、完全ランダムに組合わせを決定します。

2回戦目からは、マッチレコードが同じプレイヤーをグループにして、その中でランダムに組合せを決定します。
グループが奇数になる場合、1人を1つ下位のマッチレコードのグループに混ぜて組合せを行います。
最下位のグループが奇数の場合、1人がBye(不戦勝)になります。
このとき、マッチレコードが上位のグループから降りてきたプレイヤーはByeに選ばれません。

マッチングにおいては、後述するOMWPなどのタイブレイカーは使用されません。
また、大会によっては序盤の対戦がByeになる権利を持つ、シードのプレイヤー※がいる場合があります。
※WCSにはありません


●順位決定 (タイブレイカー)
すべてのラウンドが終了すると、成績に応じて順位を決定します。
順位は以下の優先順位で計算されます。
ある基準で同じ成績の場合、1つ下の方法で順位を決定します。

(1) マッチレコード
勝ち数が多いプレイヤーほど上位になります。
勝ち数が同じ場合は、負け数が少ない(引き分け数が多い)プレイヤーが上位になります。
ただし、引き分け3回は勝ち1回と同じ価値を持ちます。

ポイントが高い順、と言った方がわかりやすいと思います。

(2) 遅刻
大会に遅刻したプレイヤーは、そうでないプレイヤーよりも下位になります。

(3) オポネント・マッチ・ウィン・パーセンテージ (OMWP)
対戦相手全員の勝率を平均し、より高い方が順位が上になります。
より強い相手と対戦したプレイヤーの方が強い、という理屈です。

計算方法ですが、対戦相手個々人の勝率を算出して合計し、人数で割ります。
例1:スイス4ラウンド
対戦相手1 1勝3敗 → 25%
対戦相手2 2勝2敗 → 50%
対戦相手3 3勝1敗 → 75%
対戦相手4 4勝0敗 → 100%
(25% + 50% + 75% + 100%) ÷ 4 = 62.5%
OMWPは62.5%。

ただし、対戦相手の成績によっては修正が入る場合があります。
修正は2つのパターンがあります。
・勝率が25%に満たない場合
→ 25%として計算する
・ドロップしていた場合
→ 勝率が25%に満たない場合は、25%として計算する
→ 勝率が75%を超える場合は、75%として計算する
例2:スイス4ラウンド
対戦相手1 0勝4敗 → 25%
対戦相手2 2勝0敗(ドロップ) → 75%
対戦相手3 3勝1敗 → 75%
対戦相手4 2勝2敗 → 50%
(25% + 75% + 75% + 50%) ÷ 4 = 56.25%
OMWPは56.25%。

(4) オポネント・オポネント・マッチ・ウィン・パーセンテージ (OOMWP)
対戦相手全員のオポネントを平均し、より高い方が順位が上になります。

(5) 直接対戦結果
OOMWPまで同率のプレイヤーが2名で、直接対戦した場合は、そのラウンドの勝者が順位が上になります。

(6) 最終対戦相手の順位
直接対決がないなど、直接対戦結果でも順位が確定しない場合は、最後の対戦相手の順位が高い方が、順位が上になります。


●終わりに
以上、海外の公式資料によるスイスの詳細でした。
このうち「マッチングにOMWPを使用しない」「OMWPに修正項目がある」の2点は、あまり知られていないことだと思います。

国内大会のスイスドローでは、タイブレイカーがサイド差とオポネントに二分されます。
大型自主大会や、近年の公式大会ではオポネントが主流でしょうか。
それらの計算方法は公開されていませんから、この記事で紹介したものとは異なるかもしれません。
理念は同じでもやり方は色々ということで、あくまでも海外大会の話として参考にしてもらえればと思います。


余談
スイスでトップカットを行いシングルエリミネーションへ進むプレイヤーを決める場合、参加人数によってラウンド数を決定します。
一覧表がTournament Operation Proceduresに載っています。
興味がある方は、資料を参照してください。
うきにんさんの、「デッキを載せることについて」を読みました。
WCSで活躍した「ファイアロー入りゲッコウガ」のデッキリストを入り口に、日本の状況を憂いている記事です。
http://ukinins.diarynote.jp/201609042350169069/

現実として、日本には60cards※のようなデッキリストやレポート、研究結果を公開するサイトがありません。
皆さん、個々のDNやTwitterで公開しています。
それが情報収集を難しくして、うきにんさんが憂う状況を作っていると考えます。
http://www.60cards.net/

記事を読んだあと、考えたことを色々とtweetしたので引用します。

「日本の場合、デッキリストの紹介記事やツイートはそれなり以上にあると思います。
しかし個人のスペースで発信されるため、集約されません。
リアルタイムで情報を追っている人しか触れられず、ライト層が情報にアクセスしにくい。
後から追いかけることも難しく、印象として少なく見えてしまいます。」


「デッキリストを集約する試みは、実は定期的に行われています。
しかし、宣伝不足で小規模であったり、無断転載など問題があったり、通販サイト直結で警戒されたりと現在広く定着しているものはありません。」※2


「他のゲームには存在する、大規模な交流サイトやまとめサイトがポケカに存在しないのは不思議です。
必要だと言われ続けて、実行する試みも少数ながらあるのに、なぜか定着しません。
不思議です。」


「以下私見ですが、その状態が長く続いているため、上位層がそういうものを必要としないことが理由にあるのではないかと。
中間層以下に必要なことはわかっていても、自分達はそれ以外の場所から情報を手に入れることができる。つまり、大規模サイトを作ったとしても自分達にメリットが少なく、ボランティアの側面が強くなります。
奉仕活動は短期ならともかく、長期間続けるのは難しいことです。

だから、立ち上がってもコンテンツが充実するまで続かず、中身がないので廃れてしまって更にモチベーションを失ってしまう。
海外のように、有料化するなど情報面以外のメリットが大きければ良いのでしょうけどね。
そこはサービス大国日本、サービスにお金を払う習慣が薄いため、成立する見通しがつきません。
(少なくとも、私は踏み切れない。)」


引用終わり。
日本に60cardsのようなサイトが定着しない理由の考察でした。

同時に上位層によるデッキ公開が少ないのも、日本にある事実だと思います。
需要があるのに供給が少ないのは、見合う対価が期待できないからでしょう。
私の考えでは、プレイヤーがデッキを公開する金銭以外の動機は、「自己顕示欲」「貢献意識」「利益の還元」の3つです。

「自己顕示欲」は自分のことを知ってもらいたい、認めてもらいたい、あるいは褒められたいといったものです。自己承認欲求とも言い換えられます。
「貢献意識」はコミュニティに自分が役に立っている実感。感謝されたい、という欲求です。
「利益の還元」はコミュニティへのお礼。例えばチャンピオンが、皆さんのお陰で勝てたので、自分にできることとしてデッキを公開します、といった具合です。

うまく説明できているかわからず、また極端かもしれませんが、大筋で当たっていると思います。
プレイヤーのデッキ公開を促進するには、これらに報いる施策を取れば良いと考えます。

このうちの2つ「自己顕示欲」「貢献意識」は、アクションに対して反応があることで大いに満たされるものです。
公開したデッキに対してコメントをもらうことで、前者は(肯定的意見なら)欲求が満たされますし、後者も貢献を実感できます。
つまり、積極的にコメントをやお礼をしていくことが、プレイヤーがデッキを公開していく動機を強めることになります。

上記は一例ですが、動機に対して報いることを徹底すれば、デッキが公開される割合は増えていくと考えます。
デッキの公開を望む方は、公開した人に対してコメントをすることから始めましょう。


うきにんさんの記事を元に、現状の分析と、課題解決への提案の2つを扱いました。
そのせいで、一つの記事としては少し長くなってしまったかもしれません。

ところで、うきにんさんは現状を憂いてはいても、デッキを公開しないことの批判はしていません。
ポケカ全体へのプラスになることだとしても、個々人にそれをする責任はないからです。
課題を分析しながら、バランスを欠かずに公平である。
さすが、うきにんさんです。


※2 Trick Roomに載せたデッキが、アフィリエイトと通販をするデッキまとめサイトに転載されたことがありました。文章のコピーはなく違法ではありませんが、承諾を得ずに商用利用されたことに心情的に納得ができず、取り下げの依頼を行いました。

ポケモンカードをプレイするためにはデッキが必要です。
そのため、プレイヤーは自分で作ったり真似したり借りたりして、デッキを用意します。
でも、デッキとはそもそも何なのでしょうか?

たねポケモンを1枚以上含む60枚のカードの集まりで、基本エネルギー以外の同名のカードは4枚まで。
これが、ルールブックが言うところの「デッキ」です。

しかしこれは定義でしかありません。
プレイヤーにとって、デッキとはどんな意味を持つのでしょうか?


以降は、私個人の考え方で進行します。

私は、カードゲームを「数学的なゲームに心理的要素を加えたもの」と捉えています。
ポケカ、トランプ、他のTCGも含めて、確率などの数学的要素に支配されつつ、ゲームの結果はプレイヤーの判断によって左右されます。
プレイヤーの判断は確率計算など数学的根拠から下されることもあれば、気分や心理戦、あるいは勘違いによる心理的な側面で決定されることもあります。
よって、カードゲームは数学的でありつつも、それだけではないと考えています。

さて。デッキとは、勝利という目的を達成するための手段です。
命題に対する解法※と言い換えることもできます。
※完全な証明はできないので、解法の試みと言うべきかもしれません

プレイヤーは、各々の仮説に基づき勝利を得るためのデッキを作成します。
学術的に考えるならば、既存の研究成果である他のプレイヤーのデッキも積極的に取り入れるべきです。
論文を読むように入賞デッキを試し、必要があれば引用して自らのデッキの取り入れ、間違いと思えば採用しない。
自分の研究成果たるデッキを作成するため、他人の研究成果を最大限に利用するべきです。
(あるいは、既存のデッキを完成形として認め、同じものを使用するべきです。)

カードゲームの数学的側面に則れば、試行錯誤段階のデッキコピーも、結論としての同じデッキ使用も肯定します。

ただし、カードゲームの心理的側面は必ずしもそれを肯定しません。
私にしても原則は上記ですが、デッキを自らの作品であったり相棒と考えている節を否定できません。
芸術作品で模倣は厳禁ですし、相棒が他人から生まれたのでは不服でしょう。
デッキにオリジナリティを重視したり、コピーデッキを認めない人はこの考えが強いのだと思います。

私の原則はあくまでも数学的側面にあって、心理的な側面はノイズとして取り除くべきものだと認識しています。
しかし、他人が心理的な側面を追うことが間違いだとは思いません。
(オリジナリティを過度に追求しながら、勝てないからと癇癪を起すなら咎めます。目的がブレています。)


さて、あなたにとってデッキとはどんな存在ですか?
琵琶湖を擁する滋賀県大津市が、ご当地ポケモンの開発を株ポケに要請したというニュースがありました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160805-00010000-bfj-sci

株ポケからの回答はまだ無いようですが、これってどうなんでしょう。
ニュースを見たとき、3つの疑問が浮かびました。

・世界観に合うのか?
・ゲーム性を保てるか?
・料金はいくらだ?

流行に安易に乗ろうとしている気がして、少し呆れました。
ですが、町おこしへの活用はリリース当初から言われていたことです。
3つの疑問を中心に、考えてみました。


・世界観に合うのか
ポケモンの個体差や、亜種はこれまでもありました。
ギザミミピチューやカラナクシ、アローラフォームなどです。
新種ポケモンを作るのは無茶でしょうが、琵琶湖特有のアレンジを加えるくらいなら問題ない気がします。

他のアプローチでは、ポケモンセンター等のピカチュウの例がありますね。
まいこはんピカチュウ、機長コスプレのピカチュウなどです。
ただしグッズとして面白いですが、野生に現れるのは違和感がありますね。


・ゲーム性を保てるか
コレクション性のあるもので、極端に難易度が高いものがあるとやる気を損なう、という話をコレクターから聞いたことがあります。
世界中で遊ばれるゲームで、特定の国の特定の地域限定というのは、かなりの難易度だと思います。
現在もカモネギやケンタロスなど国限定のポケモンがいますが、高いハードルを感じますし。

一方、今後オンライントレード機能が実装されるなら、難易度は大きく下がるでしょう。

結局のところ、難易度の設定はメーカーのポリシー次第ではあります。


・料金について
新しい3Dモデルが必要でしょうから、それなりに費用が掛るのでしょうね。
そして、後方互換性の問題もあります。
もしポケモンGOをサン&ムーンと連携させるなら、ご当地ポケモンにも対応させる必要があります。
そして次の新作でも対応...となると、かなり長い期間にわたって影響を及ぼします。
これは結構なコスト、というか負債です。
そう考えると、そうそう安売りはできないんじゃないでしょうか。

もっとも、ギザミミピチューみたいに他シリーズには持ち出せない、というのもありですが。


3つの疑問を考えましたが、「別に無理ではないかな?」と思いました。
実現するかはわかりませんが、するなら世界観に合った楽しい仕組みになると良いですね。


ここまで書いて今更ですが、「特別なワザを持っているポケモン」なら3つの疑問を無視して簡単に実現できることに気が付きました。
現行のゲームでもよくありますし。
でも「なみのりピカチュウ」レベルのインパクトがないと、一般への訴求力がなさそうですね。

7月8日にポケモンカードゲームフロアルールがVer.2.2からVer.2.3へ改訂されました。
改訂により追加されたポイントを解説します。

改訂内容は以下2点の追加でした。
以前のフロアルールは周知されているものとして、追加部分を引用します。
文脈が不明な場合は、引用元のPDFを確認してください。

1:ジャッジの判断に不服がある場合
「第2章:プレイヤーの皆さんへ」より

しかしジャッジの裁定に対して不服がある場合は、プレイヤーの皆さんは別のジャッジによる裁定の見直しを要求することができます。
プレイヤーの皆さんの要求に対する最終的な決定権は、ジャッジ側にあります。



2:対戦終了後に不正が発覚した場合の結果の訂正
「第8章:対戦の終了および勝敗について」より

ただし対戦終了後であっても、不正な行為が発覚しそれが認められた場合、あるいはそれにより今後の大会運営に著しい影響が及ぶ懸念がある場合、大会主催者側の判断により対戦結果の訂正と、訂正前の対戦結果に付随する一切の権利を剥奪する場合があります。



追加された2点とも、以前から実際に運用されていた内容です。
今回の改訂は実質的には変更でなく、実運用の明文化だといえそうです。

引用元の原文は以下のURLより。
http://www.pokemon-card.com/event/regulation/floor-rule.pdf
この記事は、WCSサンフランシスコ大会へ行くプレイヤーに読んで欲しい記事のリンク集です。

2年前のWCSのワシントンD.C.大会の参加者をサポートするために書いた、「WCS2014へのテーマ連載」の記事へリンクしています。
所々に補記や修正をしているものの、公開から2年経っているため今年の状況と異なる部分があるかもしれません。
ですが、日本人が直面する日米の違いを思いつく限り記事に盛り込みました。
一度記事を読んでもらうと、その後の情報収集もスムーズに進むと思います。


連載はテーマ別に7つの記事に分かれています。
目次とそれぞれのサマリー、今年の補記の内容をまとめています。
気になる記事だけでも、読んでみてください。

第1週:WCSの主催者の話
http://blog.livedoor.jp/ootsuki_mire/archives/52038397.html
海外のポケモンカード事情をざっくり説明することで、WCSの概要をお話しします。
2016年の補記はありません。


第2週:2本先取の話
http://blog.livedoor.jp/ootsuki_mire/archives/52039076.html
WCSは原則的に2本先取で行われるため、ルールを知る必要があります。
BO3と呼ばれるこの形式は、日本で行われる2本先取とは大きな違いがあります。
この連載で最も伝えたいことですから、一読をお勧めします。
2016年の重要な補記はありません。


第3週:コインとダイスの話
http://blog.livedoor.jp/ootsuki_mire/archives/52039862.html
コインやダイスを中心とした、カード以外の小道具に関するお話です。
日本とは違う先攻/後攻の決め方や、スリーブのことも書いているので重要です。
2016年の補記はありません。


第4週:ジャッジと通訳の話
http://blog.livedoor.jp/ootsuki_mire/archives/52040624.html
WCSのジャッジや通訳について解説します。
2016年の重要な補記はありません。


第5週:文化の違いによるルールへの影響
http://blog.livedoor.jp/ootsuki_mire/archives/52041351.html
閑話休題の読み物です。
大会に出たいだけなら特に読む必要はないですが、知っておいた方が楽しめる...かもしれません。


第6週:大会運営の話
http://blog.livedoor.jp/ootsuki_mire/archives/52042130.html
大会のスケジュールや参加方法といった、会場での行動のお話がメイン。
意外と、対戦よりもそれ以外のところで戸惑うものです。
執筆当時はLCQが存在していたため、内容の齟齬が大きくなっています。適宜読み替えたり、状況を考えながら読んでください。
デッキリストに関すること、対戦組合せの発表について補記しています。


第7週:気候と生活の話
http://blog.livedoor.jp/ootsuki_mire/archives/52043020.html
旅行中は普段通りの生活ができないのは当然ですが、海外となればなおさらです。
自分自身のWCS経験で困ったことをまとめてみました。
特に、気候と服装は要注意です。
2016年の補記は、サンフランシスコの気候と空港の保安検査に時間が掛っているとの情報です。


すべての記事は、一度読み返して今年の状況と食い違っていないか確認しました。
しかし見逃しや知識不足もあるかもしれません。
不明点、疑問点があれば、この記事へ指摘のコメントをお願いします。

今年、私は選手としてWCSに関わることができません。
せめて、この記事が日本人選手のサポートになることを願います。
素晴らしい記事が公開されたので、紹介します。
カメックスメガバトルの決勝大会にて、Aリーグ準優勝を勝ち取ったReiさんのお父様、レーリーさんの記事です。

「弱者の戦術~なぜ2回目のTAを取ったのか」
http://ririrere1214.diarynote.jp/201606242324474570/

レーリーさんは2人の娘さんをお持ちです。
今回のReiさんの入賞の2年前、2014年にはお姉さんのRinaさんがAリーグ3位に入賞してWCSワシントンD.C.大会へ出場されていました。

隔年で日本代表を輩出する驚異的なご家族ですが、レーリーさんによれば娘さん達のプレイヤ―としてのスキルは高いものではないそうです。
客観的に見てもジムバトルの優勝経験が無いなど、間違ってない評価なのでしょう。
※2016/6/26追記 最寄りのジムバトルでは、ということのようです。

記事の中では、プレイスキルの差を補って大会を勝ち抜くため使った戦術を振り返っています。


私がこの記事を薦める理由は「弱者の戦術」という視点です。
勝負は強い方が勝つのが原則なので、勝つためには強くなる努力をするのが基本です。
しかし、強くなるには時間が必要です。
大会の日程は決まっており、十分に強くなる前に本番がやってきます。
弱者のままで、強者に挑む必要が出てくるわけです。

強者と弱者が戦う場合、同じ戦術を使えば強者の必勝です。
そのため、強者と違う戦術を選択し、強者に対し有利になる状況を作る必要があります。
それが弱者の戦術です。

具体的な方法は様々です。
デッキの相性で有利を狙う方法(地雷デッキなど)、運に頼るデッキを選択する(運が良ければ勝てる)、などがあります。
レーリーさんのとった戦術も、その具体例でしょう。
そして見事、結果を残されました。


その他参考記事
「日本チャンピオン決定戦詳細レポ」
http://ririrere1214.diarynote.jp/201606212008323155/
うきにんさんが指摘されていましたが、diaryNoteなどのポケカコミュニティでは情報元=議論対象が書かれていない記事が散見されます。
それでは閲覧者が記事の内容を理解できない場合があり、せっかくの情報発信が中途半端になってしまいます。

インターネット空間は自由なので、わかる人だけわかれば構わない、というスタンスももちろん有りです。
しかし人に伝えたいと思うなら、読者が情報元を辿れるようにするなど工夫した方が目的を達成しやすくなります。

冒頭に挙げた、うきにんさんの記事はこちらです。
http://ukinins.diarynote.jp/201603032205455733/


うきにんさんはdiaryNoteを主題にしていましたが、同じことがTwitterでもよく起こっています。

いわゆるエアリプなど、といえば良いでしょうか。
Twitterはユーザー毎にタイムラインに流れる情報が異なるので、自分のタイムラインを前提にしてツイートすると、フォロワー視点では意味不明なものになりがちです。
新カード情報が回ってきた→コメントする→新カード情報ツイートが見えないフォロワーには理解不能、といった具合ですね。

自分のアカウントのクオリティを情報発信元として高めたいなら、自分のツイートだけでフォロワーが情報を補完できるように工夫するのが良いでしょう。
幸いTwitterにはリツイート機能があるので、そこそこのレベルを保つのは簡単です。
(リプライ等で表示順序が変わるため、完璧ではないですが)

もちろんTwitterの使い方は自由なので、わかる人だけで良いという考えも、diaryNoteと同じで有りです。


以下は蛇足なのですが...
この情報元の話と、バカッター問題が根幹では同じ原因のように思います。

「その情報(発言)を、誰が読めるのか。」
正確に把握していないことが、原因かなと。
Twitterでは自分のタイムラインにしか意識が及びませんが、ツイートすればリツイートされるし検索もできるので、どこの誰が読むか予想できないんですよね。

良い発言も悪い発言も、誰が読んでも問題ない程度に整える必要があるのかな、と思います。
スポーツや将棋など、一部の競技にはプロのプレイヤーがいます。
TCGにおいても、MTGにはプロ制度があります。
またポケモンの分野では、ゲームではWCS参加者にスポンサーが就いた例があるそうです。※1

※1シンガポールにて、WCS出場権のあるプレイヤーに渡航費を補助する企業がいたそう

ポケカはどうでしょうか。
海外の大会では奨学金※2の名目で入賞者に賞金がでますが、いわゆる"プロ"とは違うように思います。
違いを明確にするために、奨学金という表現を使っているのではないでしょうか。

※2海外の奨学金は、日本と違い返還義務のないものが基本です


この記事では、日本でポケモンカードのプロプレイヤーが誕生する可能性と、その障害になっているものを考えます。


●竜王戦の生放送から読み取れた結論
前年12月27日 ポケモン竜王戦の決勝大会が開催され、大会の様子がyoutubeでストリーミング配信されました。
タイミング良く家にいたので決勝戦のみ観ましたが、それを見て日本でポケモンカードのプロ制度を成立させるのは難しいと思いました。
理由は、

「ハイレベルな対戦に興味を持つ人が少ない」

からです。

ストリーミングにはコメント欄がありましたが、日本語だけでなく他多数の言語が使われていました。
そして最多の言語は日本語ではなかったのです。
厳密に数えたわけではありませんが、英語、日本語、韓国語、他ヨーロッパ諸語の順でコメントが多かったように思います。

日本の大会なので日本人が一番多いのが自然ですが、コメントを見る限りそうではありませんでした。
日本人は決勝大会などの対戦に興味が薄いのでは、と推測しています。


●プロ制度が成立する条件
プロプレイヤーとは競技に参加することでお金を貰う人のことで、お金を貰えるのは対戦が利益につながる価値を生み出すからです。
プロの競技によって生まれる価値は、次の2つに大別できると考えられます。

(1) 観戦料
(2) 広告効果

プロスポーツでは観戦のために入場料を徴収します。
テレビの放映権料も、広い意味では観戦料に含まれるかもしれません。

広告効果には色々あると思いますが、プロスポーツチームが企業名を名乗ることでのブランドイメージ向上が顕著でしょうか。
ポケモンゲームのスポンサーもこのパターンだと思います。
(ポケモンの公式に名前が載るわけではないでしょうから、小規模ですが)
また将棋はタイトル戦の主催が新聞社や出版社で、色々なところで主催者の名前が出てきます。※3

※3例えば竜王戦の主催は読売新聞社です

MTGの場合も、プロツアーがネット中継されるなど広報戦略に使われています。

どちらのパターンも、観戦者がいることで直接間接問わず利益につながることが重要です。
人気の競技の方が観戦者が多いですし波及効果も大きいので、プロ制度が成立しやすく収入も大きくなります。


●ポケモンカードの場合
ここで竜王戦に話が戻ります。
竜王戦のストリーミングのコメント欄を見る限り、日本人は大会の対戦を見ることに興味が薄いと感じました。
プロ制度を作っても、対戦が注目されなければ利益につながりません。
従って、ポケカではプロが成り立たないだろうと考えます。

(レックウザメガバトル、バトルフェスタにおいても、決勝トーナメントのエリアは他のブースよりも人が少ないですね。)


●今後の展望
結論は現時点のものなので、将来的に渡って同じではないと思います。
e-sportという言葉も出てきていますし、可能性はあるでしょう。

WCS2015 VGマスターディビジョン優勝のビエラさんがポケモンのネット界隈以外でも話題になっていたように、「対戦に注目しない」のは日本人そのものの気質ではないと思われます。
ポケモンカードの対戦を観戦する文化さえできてしまえば、可能性は高くなるのではないでしょうか。

ポケモンゲームは動画サイトに対戦実況動画がたくさんアップロードされており、それなりに再生されているようです。
ポケモンカードも同様に動画実況が増えていけば、大会の観戦者も増えていくのではないでしょうか。

イベントオーガナイザー制度が始まり、公式イベントのスタッフにも登用されるなどユーザの公式参加の流れもあります。
専業で生活できるほどではないかもしれませんが、将来的に簡易的なプロ制度ができる可能性は十分にあるのではないでしょうか。
来年のWCSへ向けて、ボストン大会でのタイムスケジュールや所感を記録します。
大会に参加できたのがDay1までなので、ここに書けるのもそこまで。
開始前の色々や、進行の雰囲気は来年に共通するものがあるはずです。


Day0 Aug.20th

16:00 日本人向けミーティング
以前は国内予選で権利を獲得した人向けでしたが、今回はDay1参加者も招待者扱いで、日本人参加者であれば出席できました。
事前にもらっている資料の再確認が基本ですが、気になることを質問すれば答えてくれました。
メイン進行はポケモンコミュニケーションズの方で上記の説明。
近畿日本ツーリストの方からは現地生活のアドバイスと楽しみ方をレクチャーしてもらいました。


17:00~19:00 選手参加登録
会場内の一室にて、Day1,2の参加選手の登録を行います。
WCS参加に必須で、登録をしないと一切参加ができません。
また、参加賞に当たるウェルカムキットもここでもらいます。

全参加者600人以上を2時間で登録するため、大行列になったようです。
時間にシビアで、少しでも遅れると受付してもらえません。


20:00~22:00 日本人向け選手参加登録
交通の便などを考慮して、日本人専用の参加登録所が設けられました。
基本的に全選手向けのものと同じですが、時間が遅いので用事を済ませてから行けて助かりました。
ただし一般受付の後で行う関係で、ウェルカムキットのTシャツにサイズ切れがあったりと、デメリットもあります。


Day1

9:00 オープニングセレモニー
9時から始まるはずなのですが、会場の鍵が事前に開いていなくて入場列が形成されていました。
荷物検査もあったので、比較的早めに並んでいないとセレモニーを見られなかったと思います。
私は間に合いませんでした。
(加えて、荷物検査後に並んだ行列がサイドイベント用だったらしく、次の予定に間に合わないところでした。)

実はこの日に銃器を持ち込もうとした人が居て後に逮捕されているのですが、入場が遅くなったの原因になっていたのかもしれません。


9:30 プレイヤーミーティング
大会の説明と、デッキシートの提出を行います。
着席位置が張り出されていて、指定の番号の席を自分で探して席に着きます。
着席位置はラストネームのABC順になっていて、ペアリングシートの要領で壁に張り出されています。
名前の傾向から日本人同士が向き合うことも多いのですが、このまま対戦するわけではないので安心してください。
(私は名前がKから始まるのですが、5回の参加ですべて日本人と向き合ってのミーティングになりました。)

10:30頃? ラウンド1スタート
プレイヤーズミーティングから長い時間を待って、第1回戦が始まります。
ミーティングと同様にABC順で対戦卓のテーブル番号が張り出されるので、自分で探して着席します。

基本的には全員一斉に対戦を始めます。
対戦相手が来て準備が整っても、掛け声があるまで待機します。
ただし、ディビジョン毎で別に進行するので注意してください。
「Master, you may begin」
というように、ディビジョンごとの合図を受けたら対戦相手と握手をしてゲームを開始します。


この後は順次ラウンドを消化していきます。
進行速度や休憩の有無、終了時間は場合によって異なります。

今回はラウンド2のあとにお昼休憩が設けられました。
休憩の有無はラウンドの前にアナウンス(英語)されますが、のちに紙の張り出しもありました。
日本語での掲示もありましたが、休憩時間に入ってしばらく経ってから作られたようです。


すべての対戦が終わると、特にセレモニーもなく解散してDay2に続きます。


残念なことに、私が体験できたのはここまでです。
経験が来年に生きることを期待しつつ、出発直前の現地ボストンよりお送りしました。

また怪しげなテーマで連載を始めてみようと思います。
WCS前というタイミングのため、不定期になる予定。

皆さん、お金は好きですか? 私は好きです。
ポケモンカードは企業が作った商品ですから、お金との関係は決してなくなりません。
普段の遊びや競技の裏にあるお金の関係を、ちょっとだけ覗いてみましょう。


第一回は、カードショップでのお買い物のお話です。

「せっかく来たから、売上に貢献するか。1パックで良いかな?」
たまに見かける光景ですが、不正解です。
お店に貢献しようと思うなら、シングルカードを買ってください。


カードショップではパックなど未開封商品の他に、シングルカードを売っていることがあります。
実は、この2種類の商品は粗利率※1が全く異なります。

ポケモンカードの場合、仕入原価は1パックあたり112円前後だと聞きました。
仕入原価はお店によって違いますが、大体7~8割と考えてよいでしょう。
ということで、1パック売れると約37円の儲け※2になります。

シングルカードの場合、買取価格は販売価格の3割前後を目安に設定するそうです。
150円のシングルカードなら、買取価格は45円くらいと思われます。
1枚売ると、105円の儲けです。

1パック売れたら37円、同じ金額のシングルが売れたら105円の儲けなので、
お店としたらシングルが売れた方が2.5倍嬉しいということになります。

結論「お店が好きならシングルを買おう」


上記例はかなり単純化しています。
実際の買取価格には色々な要素がありますし、手間=人件費も掛るため、買取価格がそのまま原価になるわけではありません。
それに、パックが儲からないからといって、売れないのはもっと困ります。
ですが、パックよりもシングルを売りたいのは基本的に間違いありません。

ところで、ポケモンカードはシングルがあまり売れないTCGだそうです。
同様に、売りに来てくれる人も少ないと聞きました。
シングルがたくさん売れて、すぐに買取で補充できるのがお店の理想なので、
ポケカの取扱店が多くないのは、プレイヤー人口以外にもシングルの事情がありそうです。


次回は、デュエルスペースにまつわるお金をテーマにする予定です。


※1 販売価格 - 仕入原価 = 粗利益 となり、粗利率は「粗利益/販売価格」です。簡単に言うと、粗利率が高い商品の方が、売上が同じでもより儲かります。

※2 人件費や各種固定費があるので厳密に「儲け」とは言えません。わかりやすく単純化しています。「貢献利益」といった方が正しいですが、気になる方は調べてください。
昨年の「WCS2014へのテーマ連載」を、今年のボストン大会向けにメンテナンスしました。

この連載は、ワシントンD.C.大会へ行かない私が、日本からの参加者へ向けてできる支援として作ったシリーズです。
大会のルールや、現地での生活のこと、さらに文化面で知ってほしいことを、テーマにまとめて週ごとに更新していました。

今年は自分が参加者。
それほど時間を使うことはできませんが、2014年との違いを追記してもう一度紹介することにしました。
他のプレイヤーにも知ってほしいことですし、時間を掛けて書いたので最大限活用します。


記事はテーマごとに分かれているので、興味のあるテーマを読んでみてください。
2015年になっても大きな変更はないので、昨年読んだ方は特に必要ないかもしれません。
※2015年シーズン一番大きな変更点はExpandedフォーマットの追加ですが、昨年記事で触れていないため今回も特に記載なしです。


第1週:WCSの主催者の話
http://blog.livedoor.jp/ootsuki_mire/archives/52038397.html
海外のポケモンカード事情をざっくり説明することで、WCSの概要をお話しします。
2015年補記は、特に重要なものはありません。


第2週:2本先取の話
http://blog.livedoor.jp/ootsuki_mire/archives/52039076.html
WCSは原則的に2本先取で行われるため、ルールを知る必要があります。
BO3と呼ばれるこの形式は、日本で行われる2本先取とは大きな違いがあります。
この連載で最も伝えたいことですから、一読をお勧めします。
※レックウザメガバトル 日本代表決定戦の決勝など
2015年の補記はありません。


第3週:コインとダイスの話
http://blog.livedoor.jp/ootsuki_mire/archives/52039862.html
コインやダイスを中心とした、カード以外の小道具に関するお話です。
日本とは違う先攻/後攻の決め方や、スリーブのことも書いているので重要です。
2015年の補記で、先攻の決め方の訂正と、スリーブの新ルールを追記しました。


第4週:ジャッジと通訳の話
http://blog.livedoor.jp/ootsuki_mire/archives/52040624.html
WCSのジャッジや通訳について解説します。
2015年の補記はありません。


第5週:文化の違いによるルールへの影響
http://blog.livedoor.jp/ootsuki_mire/archives/52041351.html
閑話休題の読み物です。
大会に出たいだけなら特に読む必要はないですが、知っておいた方が楽しめる...かもしれません。


第6週:大会運営の話
http://blog.livedoor.jp/ootsuki_mire/archives/52042130.html
大会のスケジュールや参加方法といった、会場での行動のお話がメイン。
意外と、対戦よりもそれ以外のところで戸惑うものです。
2015年の補記は特にありませんが、「今年」などの表現は2014年当時のものなので、読み替えてください。


第7週:気候と生活の話
http://blog.livedoor.jp/ootsuki_mire/archives/52043020.html
旅行中は普段通りの生活ができないのは当然ですが、海外となればなおさらです。
自分自身のWCS経験で困ったことをまとめてみました。
特に、気候と服装は要注意です。
開催地が違うため、ボストンの気候を追記しています。


先述の通り、このシリーズにはExpandedフォーマットについては触れていません。
実際のところWCS2015での採用も正式発表されていないと思いますが、発表されたら要注目です。

ボストンへ行かれる方は、この記事を参考に勝ち抜いてくれたら嬉しいです。
日本から応援してくる人は、WCSの理解を深めてより楽しんでもらえると幸いです。

それではWCS2015、楽しんでいきましょう。
初週に引き続き、できる限り参加し続けています。
2週目と3週目。合わせて6回行ってきました。
残念ながら、今週はこれで打ち止めです。


2週目からは「小物が増えてきたな」といった印象。
ライチュウ、クロバット、ソーナンス辺りを、1週目以上に見かけました。
また第3週に限って、Mライボルトとの遭遇率が高いです。(7戦中4回)

・ライチュウクロバットシェイミ
・Mライボルト+なにか(うねりの大海)
・ゲンシグラードン
・ソーナンス+クロバット

デッキタイプとして表すならこうなるのでしょうが、第1週に比べて組合せが固定されなくなってきました。
既存デッキをとりあえず組んだ第1週に対し、創意工夫がされてきたのでしょう。
2種のMレックウザは健在ですが、見かける頻度は減りました。
(戦う機会も減りました)


そんな環境で私は、第2週に続投のゲンシグラードン、新規の画竜点睛、エメラルドブレイク、メガゲンガーと4夜連続で別デッキを投入していました。
優勝歴有のゲンシグラードンはともかく、新規3つの中では準優勝のメガゲンガーが最も勝率が良かったです。
そのため第3週もメガゲンガーを継続。ブラッキーを2枚連れてきてくれました。
正直に言って予想外でしたが、思ったよりメガゲンガーは強いカードなのかもしれません。
(もっとも、半分はメガシンカ不要の対戦です。)

次週からはバンデットリングが参戦します。
ブラッキーは目標枚数集めましたが、デッキを煮詰めて時間を見つけて、挑んでみたいと思います。
6月だけの特別な大会。ブラッキーナイトバトルが始まりました。
レックウザメガバトルが終わったばかり。しかもXYレギュになって切替が大変ですね。

せっかくの特別な大会なので、行けるところは可能な限り出るようにしています。
6日までに4回出られて、2枚の優勝賞品ブラッキーを手に入れました。
デッキは4回ともすべて、ゲンシグラードン+ソーナンスです。


さて、ブラッキーナイトバトル第1週を見て見た感じ、参加デッキの6~7割が4種類のデッキで占められているように思えました。

・ゲンシグラードン+ソーナンス
・Mレックウザ+レシラム+サザンドラ (画竜点睛)
・Mレックウザ+シェイミ+チルタリス (エメラルドブレイク)
・ソーナンス+クロバット(+ゲンガー)

どれもBW~XY環境に存在した、XYポケモン主体のデッキです。
環境の最初なので、前環境の成果物を引き継いで環境が始まったということでしょう。
私のゲンシグラードンも、レックウザメガバトルの上位デッキからXYで成立しそうなものを選んだ結果です。
(もっとも、実際に組んでみたらだいぶ違うものになりました。)

その他のデッキは、その人が前環境から使っていたデッキのXY版が半分くらいと、
XYレギュ用に作ったと思われるデッキタイプが半々くらいといったところでした。


第2週から、第1週の結果を受けたデッキが徐々に増えていくと思われます。
例えば、両Mレックウザがゲンシグラードンに勝つのは意外と大変だとか、
ゲンシグラードンはクロバットがだいぶ辛いとか。
各々経験した内容をフィードバックしてデッキが変化していくのでしょう。

XVレギュの本番が、スタートします。
副題:Mar.28th XY6型ルギアEX at レックウザPCバトル in 横浜


自分にとっての最後の権利戦。レックウザポケモンセンターバトル(ヨコハマ)へ行ってきました。
今回使ったデッキはルギアなのですが、普段の大会とは違うアプローチでデッキを作りました。
何を考えて作ったか、理論(考察)と事例(デッキ)を交えながら解説していきます。

この記事は、コラムとデッキ紹介とイベントレポートのハイブリッドです。
そのためいつもよりも読みにくいかもしれません。


デッキ:ルギア・デオキシス・シェイミ



【ゲーム時間を因数分解】
1ゲームに掛る時間を分解すると以下のようになります。
「ターン数 × 1ターンあたりの時間」

いきなり根にたどり着きました。
これだけでは意味がないので、さらに1ターンを分解しましょう
「思考時間 + カード・ダメカン等を動かす時間」

これが相手と自分の交互に発生するので、ゲームに掛る時間を有意に変形すると以下の式で表せます。

「ターン数 × (自分の思考時間 + 自分の操作時間 + 相手の思考時間 + 相手の操作時間)」

実際の対戦では、会場のアナウンスを聞いたりジャッジの判断を仰ぐなどして、別の時間が挟まれることがあります。
ただし、今回のテーマとは関係がないので考慮しません。


【要素分析(1)】
ゲームに掛る時間を減らすには、構成する要素のうちのどこかを小さくしてやればよいです。
ここでは、ターン数に注目します。

もっともわかりやすい方法は、ルギアEXの「オーバーフロー」や「Δプラス」を使うことです。
ポケモンカードはお互いのサイドカード12枚のうち11枚がなくなった時点でゲームが終わります。
サイドカードを1枚引くことは、単純計算でゲーム時間を9%以上短くする効果があります。

もう一つは、1ターンに出せるダメージを大きくすることです。
同じポケモンを2ターンかけて倒すより、1ターンで倒した方が合計ターン数が少なくなるのは、説明するまでもありません。


【要素分析(2)】
ここでは自分のターンの時間である、「自分の思考時間 + 自分の操作時間」を考えます。

思考時間については、基本的に慣れに依存します。
同じデッキでも、使いこんでいる人とそうでない人では、同じ答えを出すために必要な時間は使いこんだ人の方が短いでしょう。
そのため、(特に時間を競う大会では)自分が使うデッキを使いこんでおく必要があります。

一方で、操作時間はカードの効果に依存します。
「山札からカードを1枚引く」効果を持つカードが2枚あったとして、「山札の上から1枚引く」のと、「山札をシャッフルしてから1枚引く」では前者の方が短時間です。
なのでゲーム時間を短くしたいなら、なるべくデッキをシャッフルしないカードを選ぶべきです。
その他、対象が多い効果(相手ポケモン全てにダメカンを乗せる、など)や、乗せるダメカンの数が多いワザ(100ダメージなら100ダメカン1個で良いが、90ダメージだと50ダメカン1個と10ダメカン4個を乗せるので時間がかかる)も時間がかかるカードです。

そして上記二つに共通するのが、使えるカード・効果が多いほど時間が掛かることです。
手札がエネルギー1枚だけならエネルギーの種類で迷うことはありませんが、2種類のエネルギーがあればどちらを使うか考えるでしょう。
そして、カードを1枚使うより、2枚使う方が2倍の操作時間が掛かります。

【要素分析(3)】
最後に相手のターンの時間を考えます。
考え方の基本は(2)と同じですが、相手が使うカードの種類(操作時間に関係)は勝手に決められません。
思考時間を短くすることと、相手が選んでデッキに入れたカードを、対戦で使わせないことがテーマになります。

重要なのは以下の2点です。

1. 多くのカード・効果を使わせない
2. 考えさせない

1番が有効な理由は、(2)で述べた通りです。
具体的には、ルール的に相手が取れる行動を可能な限り減らしましょう。
特性を封じれば、特性の効果を処理することはありません。
そもそも手札がなければ、相手がする行動はさらに少なくなるでしょう。
相手の行動を封じる系統の効果が有効です。

2番にも、1番の手法が使えます。
特性を封じた場合、相手は特性をどう使うか考える必要がなくなります。
手札がない場合も同様でしょう。
ただし、あまりやりすぎると「どうにもならない状況をどうにかしようとして、考え込んでしまう」ことがあるので注意が必要です。

さらに重要なのが、相手の考えを邪魔しないことです。
上級者も初心者も、対戦中はそのあとをどう行動しようか考えています。
次のターンにエネルギーをつける予定だったポケモンが倒されてしまったら、代わりに誰にエネルギーをつけるか考えなくてはいけません。
思考時間が発生します。
相手の想定通りに動いて、予想外の行動をしないことが相手の思考時間の削減に有効です。

転じて、メジャーでないデッキを使うとそれだけで相手は考え込んでしまいます。
知っているデッキであれば対処法もある程度わかるので対応が早いのですが、初見のデッキだと一から考えなければなりません。
そもそもテキストを確認する時間すら発生するので、余計に時間がかかってしまいます。


【まとめ】
これまでの考察をまとめると、連勝形式の大会に向いているのはこのようなデッキです。
「大ダメージを出せてサイドを追加で取る能力があり、少ないカード枚数で機能してデッキをシャッフルする回数が少なく、ちょっとしたロック能力があって、
でも相手の邪魔をせず、しかも良く知られているデッキ」(もちろん強くないといけない)
はい。そんなデッキはありません。
加えて試合時間のことしか考えておらず、強さに言及していません。
ある程度の強さを持っていることを前提に、試合時間のために工夫できる部分を探していかなければなりません。


【事例】
これは私が書いた考察ですから、私が連勝形式の大会用に用意するデッキはこの内容を鑑みて選んでいます。
ただし、成功するかどうかは話が別です。

今回のレックウザポケモンセンターバトルではルギアを選択しました。
採用した理論は「ターン数の削減」「自分の思考時間の削減(慣れ)」「相手の思考時間の削減(良く知られたデッキで、相手の邪魔はしない)」の3つです。
自分の操作時間削減のためトレーナーズポストは省きたかったのですが、綺麗に動かすためにはどうしても必要でした。

以下のようなレシピになっています。

2 ルギアEX
1 カビゴン
4 デオキシスEX
4 シェイミEX

2 プラターヌ
1 フラダリ
1 フラダリの奥の手
1 パソコン通信
3 バトルサーチャー
4 ハイパーボール
1 プラズマ団のモンスターボール
3 ダート自転車
2 リサイクル
4 アクロママシーン
1 タウンマップ
3 ポケモンキャッチャー
4 トレーナーズポスト
2 かるいし
4 スーパーポケモン回収
3 ちからのハチマキ
3 スカイフィールド

3 ダブル無色エネルギー
4 プラズマエネルギー


【結果】
ガマゲロゲ、画竜点睛を倒して2NDステージへ進みましたが、1勝したところでエメラルドブレイクにやられました。
後攻1ターンでシェイミEXを倒して先制したものの、エネルギーとフラダリの奥の手をサイドから回収できず、ワザを使えなくなって山札切れです。
というわけで、入賞はならず。

ちなみに2NDステージ2戦目としては一番早く対戦が終わったので、対戦の高速化は成功していたといえるかもしれません。
もちろん、勝てなければ意味はありません。

リスク[Risk}
直訳すると「危険」という意味で、嫌な印象を持つ人がほとんどだと思います。
しかし、何かをするには必ず付き合わなければならないものです。
競技の世界以外での、リスクとの付き合い方を少しご紹介します。


■情報セキュリティ
システムとかそういう分野ですね。
想定されるリスクは、システムの停止や不正アクセスなど、多岐にわたります。

情報処理推進機構では、システムを保有する経営者へ向けて、リスクとの付き合い方に次のようなアドバイスをしています。
https://www.ipa.go.jp/security/manager/protect/pdca/risk.html

1. リスク低減
リスクが発生する確率を下げることです。
パソコンが故障したら困るので、定期的に点検するといった方法です。

ポケカで例えるなら、サポ事故が怖いのでサポートをたくさん入れるといった構築が当てはまります。


2. リスク保有
リスクがあるのを認識しつつ、対策をしないことです。
パソコンが故障したら困るけど、新しいのを買うお金はないから仕方がない、といったイメージです。

ポケカで例えるなら、サポ事故は怖いけど、これ以上増やすと必要なポケモンが入れられないから諦めよう、といった考え方です。


3. リスク回避
リスクがあるなら、それ自体を止めてしまおうということです。
インターネットに接続するとウィルスに感染する可能性があるから、不便でも社内ネットだけにしよう、などです、

ポケカで例えるなら、エネ事故が怖いから、エネを使わないニョロトノデッキを使おう、といった考え方です。


4. リスク移転
リスクが現実になってしまったときに、損害を別のところに負担してもらう方法です。
パソコンが故障したら修理費がかかりますが、故障時に修理費を出してくれる保険に入っておくなどです。

ポケカでのわかりやすい例えは、思いつきませんでした。


このうちのリスク低減については、無意識に実践している人が多いのではないでしょうか。
反対に、リスク保有、リスク回避の考え方をしている人は少ないかもしれません。
リスクとは、現実になる可能性とその損害を考えて、バランスが取れる場合だけ対策するものなのです。


■金融
金融の世界では、リスクとは変動幅のことだとされています。
リスクが高いとは、大きく儲かる可能性がある代わりに、大きく損する可能性もあることを示しています。

どういうことか。
銀行預金は基本的に減ることはありませんが、1年で倍になることもありません。ローリスク、ローリターンです。
反対に、株の取引は失敗すると大きく損をしますが、うまくすれば1年で資金を倍以上にすることも可能です。ハイリスク、ハイリターンです。

ハイリスクであることは、暗黙的にリターンが大きいことを示しています。
これはリスクとリターンのバランスが崩れているものは、市場原理によって価格が調整されるという前提があります。
興味を持ったら、ミクロ経済学などを調べてみてください。


ポケカに例えると、フラダリの代わりにポケモンキャッチャーを入れる考え方が当てはまります。
運が良ければ効果絶大ですが、失敗する可能性も含んでいます。

コインを嫌う人は多いですが、リスクとリターンが見合うなら試す価値があるのです。

―――

紹介したのは私が勉強した世界のお話です。
違う世界には、また違うリスクとの付き合い方があるでしょう。

リスク。うまく付き合えていますか?
カードゲームを楽しむためには、ある程度の記憶力が必要です。
最低でも基本ルールを覚えなければなりません。
中級者であれば、使用率の高いカードの効果を暗記しているのが普通ではないでしょうか。
さらにポケモンの進化を覚える必要もあります。
(ふしぎなアメなど)

では対戦中はどうでしょうか。
囲碁や将棋では、ある程度の実力者なら対局を1手目から最後まで記憶しているそうです。
ポケカの場合は行動の選択肢が多く、コインの判定など覚えることが多いので、すべてを記憶している人はほとんどいないでしょう。
では、プレイヤーはどの程度の記憶力があれば良いのでしょうか?

※囲碁や将棋は200手まで掛ることは稀です


■「前の自分のターン」仮説
「サポートは、自分の番に1枚しか使えない。」
すべてのサポートのカードに書かれている一文です。
このテキストを守るために、自分の番にサポートを使ったかどうかを覚えておかなければいけません。
そのため、プレイヤーには自分のターンに何をしたかを記憶する義務があると考えられます。

同じように考えていくと、ルールを守るためには前の自分の番にしたことを覚えておかなければなりません。
「次の自分の番、このポケモンはワザを使えない。」(キュレムBW8より)
このようなテキストが存在するためです。

また、
「次の次の自分の番~」「前の前の~」
というテキストは見付けられませんでした。
以上により、ルールは前の自分の番までの出来事の記憶を要求していると考えられます。


■反論
「さんばいどく」というワザがあります。
http://www.pokemon-card.com/card-search/index.php?mode=imagelist&sm_and_keyword=true&keyword=%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%B0%E3%81%84%E3%81%A9%E3%81%8F&old=0
このワザの効果による「どく」では載せるダメカンの数が3つになり、どくが回復するまで効果が持続します。
5ターン前の「さんばいどく」の効果が持続することもあり、「前の自分のターン」仮説と矛盾しないでしょうか?

考え方の問題ですが、矛盾しない解決法があります。
どくはポケモンチェック毎にダメカンを載せるので、自分の番になる直前に「さんばいどく」の効果を確認しているはずです。
1ターン毎に「さんばいどく」を思い出しているので、前の自分の番まで記憶していれば、ずっと思い出し続けられるという考え方です。

少し怪しいですが、決定的な矛盾は回避できました。


■例外
「対戦中1回だけ、自分の番に使える。」(カバルドンLv.X Pt2より)
http://www.pokemon-card.com/card-search/index.php?mode=imagelist&sm_and_keyword=true&keyword=%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%82%BB%E3%83%83%E3%83%88&old=1
なんと、1度ポケパワーを使ったら対戦が終わるまでそれを覚えておかなければなりません。
このカバルドンのような例外も存在しました。


■まとめ
現在のポケモンカードをルール通りに進めるためには、前の自分の番まで覚えておけば良いことがわかりました。
カバルドンのような例外もありますが、そのときは別途しっかり確認しておきましょう。


ところで。
エレキダイナモを使います。
エレキダイナモを使います。
スカイアローブリッジを出します。
レックウザEXを出します。
Nを使います。
シビルドンに進化します。
ダートじてんしゃを使います。
すごいつりざおを使います。
レベルボールでシビシラスを手札に加えます。
じてんしゃを使います。
ポケモン回収サイクロンでジラーチEXを手札に戻します。
シビシラスを出します。
ポケモンキャッチャーを使います。
ちからのハチマキをレックウザEXに付けます。
炎エネルギーをレックウザEXに付けます。
えっと、こっちのシビビールのエレキダイナモはもう使いましたっけ?

繰り返しますが、ルールは自分の番の出来事の記憶を要求しています。

今回は、記事の紹介と部分反論をお届けします。
反論にはネガティブなイメージをありますが、議論を健全に進めるためには必要不可欠です。
海外の著者なので、伝わらないのが残念ではありますが。

取り上げる記事は、Erik Nanceさんが公開し、うきにんさんが日本に紹介したプレイスタイルについての考察です。
うきにんさんが記事を公開したのはつい最近ですが、既に読まれた方も多いのではないでしょうか。
http://ukinins.diarynote.jp/201412082131239875/


詳細は翻訳記事か原文を読んでもらうとして、著者の主張をざっくりまとめてみました。

1. プレイスタイルはデッキ選択に現れる
2. 対戦中は正しいプレイとミスプレイがあるのみで、その違いをプレイスタイルと表現するべきではない

例えば、攻めるのか守るのか。
そういった姿勢はデッキ選択で既に決まっているので、対戦中はデッキ・状況に合わせた正しい選択をしなければならない。
なので、デッキ選択にプレイスタイルは存在するが、対戦中にプレイスタイルは存在しない。
という主張だと読み取りました。

概ね私も賛同します。
好きなゲームの進め方があるのなら、それができるようなデッキを選択・構築するべきです。
また対戦中であれば、好みに関わらず正しい選択をするべきでしょう。

ただし、対戦中のプレイスタイルについては半分だけ反対します。
その主張は、プレイヤーが常にすべての選択肢を取ることができるという、いわば神の視点を前提にしています。※
しかしプレイヤーは人間なので、全てにおいてベストな選択はできません。
その選択の不完全さに、プレイスタイルと呼べるものが現れると考えます。

例えば。対戦中の難しい局面。
神の視点では、攻撃的でベストな選択肢Aと、守備的で少し劣る選択肢Bがあったとします。
もちろん、Aを選択するのが正解です。
しかし、防御的な思考をする人はAの選択肢を見逃し、Bを選択するかもしれません。
攻撃的な思考をする別の人は、Aの選択肢に気が付いてAを選択するでしょう。
その違いが、見た目にはプレイスタイルの違いとして現れます。

あるいは。
AB二つの選択肢が見えている別の人がいて、しかし二つの選択肢が同じくらい魅力的に見えていた場合。
その人が攻撃的な思考をする人ならAを選ぶでしょうし、そうでないならBを選ぶかもしれません。
これもまた、プレイスタイルの違いとして見えるでしょう。


これらはあくまでも、見た目に現れる現象に過ぎないかもしれません。
本当はただの正しいプレイであり、ミスプレイなのかもしれません。
しかし現象として存在したならば、対戦中にもプレイスタイルは「ある」と考えるべきではないでしょうか。


私の主張は以上です。
実は私の主張とErikさんの主張は本質では同じで、Erikさんが「エラーは正さなければならない」であるのに対して、私は「エラーは根絶できない」と見方の違いでしかなかったりします。
なので私の記事は本来、プレイスタイル(エラー)とどう付き合っていくかに発展していくべきなのかもしれません。大変なので割愛しますが。

Erikさんの記事には翻訳された部分の続きがあって、正確なプレイをするための方法へ展開するそうです。(有料記事)
時間制限があるゲームで完璧なプレイはあり得ないと思うので、どんなアプローチで挑むのか、興味を惹かれますね。


※神の視点と表現しましたが、他にも色々と呼び方はありますね。マンガのヒカルの碁では神の一手という言葉がありますし、経済学的にいうなら合理的経済人といったところでしょうか。

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