コピーデッキを使うのは悪いこと?

答えは人によって違うと思いますが、今回は法律的に考えます。
テーマはデッキの盗用を防ぐこと。

なお私は法律の専門家ではないため、内容の保証はできません。
ご了承ください。


●著作権で保護できる?
残念ですが、難しいと思います。
Wikipediaによれば、著作権とは「思想・感情の創作的表現」を保護するものだそうです。
デッキとはルールに沿って目標(勝利)を目指すための手段なので、創作的表現ではなさそうです。
デッキが絵や音楽と同等か? と問えば、違うような気がしますね。

ところで、著作権は手法(アルゴリズム)を保護しませんが、それを実現するプログラムコードは保護の対象です。
なのでデッキリストは保護されなくても、絵柄を選んでデッキ60枚を作れば、創作性が認められて著作物になり得るかもしれません。

●その他知的財産
特許権→発明
実用新案権→物品の形状
意匠権→工業デザイン
商標権→ブランド
おおむねダメそうです。

●個人情報保護法は?
名前からして無理そうですが、もちろん無理でしょう。
個人情報とは個人を特定する情報なので、カードの束が該当するわけもなく。
余談ですが、個人情報保護法が施行されたときに、TCG系の公式ページから過去の入賞者情報が一斉に削除されたことがありました。

●デッキリストで商売すると?
飲食店秘蔵の味のレシピは、法律で保護されています。
ということは、デッキリストを使って商売すれば保護されるのでは?

私が最有力と思っているのがこれです。
不正競争防止法の、営業の秘密にしてしまう方法。
またWikipediaからですが、「秘密として管理されている有用な技術・営業上の情報」は不正に入手してはならないそうです。
技術情報や顧客情報を社外に非公開にしていると、保護されます。

ということは、「強力なデッキを開発し、公式大会に社員を送り込んで賞品を獲得、その売却益で利益を上げる」会社であれば、デッキリストを営業の秘密にできるのではないか?
ただし、事業の妥当性や収益性は甚だ疑問です。


●終わり
乱文らしく結論は出さずに終わります。
最後のひとつも、個人のプレイヤーとしては非現実的でした。
ただ、MTGなどのプロプレイヤーなら当てはまるかもしれません。

実際のところ、公開したデッキのコピーを使う人がいるのはむしろ誇らしいことです。
反面、自分のページに作者を明示せずに転載されることもあります。
それを咎められないかと思うのですが、根拠がみつからずもやもやしています。

2018/5/14 追記
当記事は4年前のものですので、私の考え方も変わっています。
現在の自分の考え方は、
公開されたデッキの転載 → OK
ただし、様態によっては関係者に感情的不利益をもたらす場合がある
というものです。
本文のとおり法的に掲載を差し止める方法はありませんが、感情的不利益をもたらした場合は、炎上案件になるなどリスクがあります。
人のデッキを勝手に分析する、そんな記事を始めます。
本人の許可は得ていますが、特に許可が必要なものでもありません。気にせずに行きましょう。
デッキを掲載する人はいますが解説をする人は少なく、そして他者のデッキを第3者視点で解説する記事はほとんどありません。
そんな記事が、日本でも増えたら面白いと思いませんか?

今回は、Twitterのやりとりでこの記事を作るきっかけとなった、かえでさんのデッキを分析します。
8月に行われたWCSで3位を勝ち取った、フレフワンタイプのガルーラデッキです。


●デッキレシピ
2 ガルーラEX
2 MガルーラEX
2 ミュウツーEX
1 ゼルネアスEX
1 ケルディオEX
3 シュシュプ
2 フレフワン
1 ゼルネアス
1 スイクン
3 プラターヌ博士
4 N
3 アクロマ
1 サナ
1 ベル
2 フラダリ
4 フェアリーガーデン
3 まんたんのくすり
3 ちからのハチマキ
2 ツールスクラッパー
1 びっくりメガホン
2 ハイパーボール
2 レベルボール
1 ヘビーボール
1 すごいつりざお
1 ダウジングマシーン
7 フェアリーエネルギー
1 水エネルギー
1 レインボーエネルギー
2 ダブル無色エネルギー


本人による簡単なデッキ解説と、対戦レポートが公開されています。
http://mapleisland.diarynote.jp/201408240150004395/

またアメリカ公式でもデッキリストを公開しています。
http://www.pokemon.com/us/play-pokemon/worlds/2014/decks/masters/


●基本
日本では流らなかったガルーラとフレフワンの組み合わせですが、海外のレポートでは決勝トーナメントレベルの対戦でしばしば見かけました。
WCSではあまり使われなかった様ですが、デッキタイプとしてマイナーというわけではなさそうです。

基本的な動きは、ミュウツーかガルーラの2回攻撃で相手のEXを倒しつつ、こちらは高いHPとまんたんのくすり、または攻撃ポケモンの交代で気絶を逃れてアドバンテージを得るといったところでしょう。
主流のボルトロスタイプのフレフワンは、エネ加速ができて色々なタイプのポケモンを運用できますが、攻撃力が低い傾向にあります。
かえでさんのデッキは器用さに劣る代わりに、誰が相手でも100前後の威力を継続できることが長所といえそうです。

●環境要因
メタゲームの観点で使えないデッキを候補から外して、使っていて楽しいデッキを選んだと本人は書いています。
本人がメタゲームをどれほど気に掛けたのかはわかりませんが、勝ったからには必ず要因があります。

まず、DNより対戦相手を抜き出します。

予選スイスラウンド
1:イベルタル・ダストダス:○○
2:プラズマフレフワン:○○
3:ランドロス・ミュウツー・ライチュウ・フワライド:○×○
4:キュレム型プラズマ:○○
5:イベルタル・ダストダス:○○
6:ビリゲノ・ライチュウ:○○
7:ビリゲノ・ライチュウ:○×○
8:ビリゲノ・フワライド・パルキア:○×△
9:ビリゲノ:○×△

決勝シングルエリミネーション
TOP8:ビリゲノ・フワライド・パルキア:×○○
TOP4:ビリゲノ:××

ビリゲノ系:3勝1敗2分
イベルタル系:2勝0敗
プラズマ系:2勝0敗
ランドミュウツー系:1勝0敗

対戦のほとんどがビリゲノ系統。それも、後半はビリゲノのみと対戦しています。
単純に勝率を見ると他の3系統より低くなりますが、相手のプレイヤースキルやデッキの洗練度は序盤の対戦より高いはず。その点を考慮する必要があります。

対戦相手と結果を見ると、ビリゲノ、イベルタル、プラズマに勝てたことが第3位を勝ち取った決め手といえそうです。
このデッキがそれらにどう優位に立てるか、分析していきます。

●最多対戦のビリゲノ
ビリゲノは、HP170のポケモンに対して有利に戦えるデッキです。
基本パターンはビリジオンのエメラルドスラッシュの50と、ゲノセクトのメガロキャノンの100で合計150。
加えてどちらかにちからのハチマキをつけるか、メガロキャノンのベンチダメージで170に合わせていきます。
GブースターでHP180のポケモンも倒せますが、対戦中に使える回数に制限があるため苦手なことに変わりありません。

Mガルーラは、ビリゲノから3回攻撃されるか、Gブースターを含む2回攻撃でしか倒れません。
ガルーラもHP180ですし、本来ビリゲノが得意なミュウツーでさえ、1度攻撃を受けたらベンチに下がるか回復できます。
このデッキのメインポケモンは、ビリゲノから倒されない構造をしています。

ビリゲノ側はシュシュプを倒すのが得意で、ボルトロスタイプなら序盤に致命的なダメージを受けないので、フレフワンに対して有利に戦えます。
しかしこのデッキで序盤に動くのはミュウツーなので、シュシュプを倒している間にエックスボール2発でビリジオンを倒せます。加えて、無傷のミュウツーが場に残ります。

HPの関係でビリゲノに強く、フレフワンの対ビリゲノの弱点は緩和さているため、ビリゲノに対して有利に戦うことができそうです。

●プラズマ系統
メインポケモンをキュレムと仮定した場合、プラズマ系統はHP170~180に強いデッキということができます。
MガルーラはHP230、しかも50%の確率でキュレムをOHKOできるので、メインポケモン同士の相性では有利といえそうです。


●イベルタル
イベルタルは先述の2デッキと違い、得意なHP帯が特にないデッキです。
それよりも相手が使うワザのコスト帯、またはワザを使った後のエネ枚数で有利不利が決まってきます。
かえでさんのデッキはすべて中コスト帯のポケモンなので、イベルタルにとってはやや得意な相手です。
反面、大量エネのイベルタルに倒されないMガルーラのHPと、まんたんのくすりの回復、システムポケモン(フレフワン)の悪抵抗は有利な要素なので、結果として相性はフラットではないでしょうか。
今回の大会では、かえでさんのプレイヤースキルが勝因になったと予想します。
(ただし、ガルーラタイプのフレフワンはメジャーなデッキではありませんから、相手が練習不足だった可能性もあります。主流から外れることはこの点でメリットになります。)


●結論
結果的に上位の大半を占めた、ビリゲノに有利だったことがデッキの観点でみた勝因だと考えます。
エナジートランス系統は中打点での殴り合いに有利なデッキで、OHKOの大打点やコントロールは苦手な傾向にあります。
今回は、レックウザやアギルダーがメタゲームから外れたことが有利に働きました。

※余談ですが、トランス系の代表がサザンドラだったころは、同じく中打点に有利なカメックスが環境にいました。サザンドラとカメックスの直接対決ではカメックスの方が有利なため、サザンドラはほとんど使われませんでした。


●終わりに
以上でかえでさんのデッキの分析を終わります。
ご覧の通り、デッキ構築よりも環境考察がメインになりました。
これは私の好みによるものであって、デッキ分析とはこうあるべきというわけではありません。
(プレイングよりデッキ構築、デッキ構築よりデッキタイプの選択が重要だと考えています。)

本人による解説はとても面白いのですが、どうしてもその人の思い入れの影響を強く受けます。
また、事後の分析よりも、事前に何を考えたかに重点が置かれる傾向があります。
それはそれで良いのですけれど、たまには違う視点の記事も読んでみたくはありませんか?
この記事に続いて、第3者による分析記事が増えることを期待します。
9月13日のファントムゲート発売に向けて、新弾パックにぴったりのルールを紹介します。
海外で公式に規定されておりプレリリースパーティ※で採用される、シールドデッキルールです。

※新弾発売の2週間前から行われる、未発売パックを使った大会イベント。発売前のカードが手に入る


●シールドデッキルール
当日に未開封(Sealed)のパックからデッキを作って戦う形式の大会です。
公式大会で行われる場合は、使用するパックや主催者から配布されます。
全員が同じ条件でデッキを作るのでカード資産の優劣が付かず、純粋な実力と運が試されるルールです。

●デッキ
配布されたパックを使って、40枚のデッキを作ります。
ブースタードラフトと違い、自分が開けたパックのカードのみを使います。
(トレードはできません。もちろん、持参したカードも使えません。)
デッキ構築時間は30分です。
パックに基本エネルギーは入っていないので、主催者から借りて使います。
60枚デッキと同じく、同名カードを4枚まで使えます。

●ゲームの流れ
1. パック開封
 主催者から受け取ったパックを開封します。
 公式ルールにパック数の規定はありませんが、プレリリースでは5パックです。(1パック10枚入り)
 日本語版は5枚入りなので、10パックが適当でしょうか。

2. デッキ構築
 パックから手に入れたカードでデッキを作ります。
 前述の通り30分ですが、基本エネルギーを借りる時間も考えなければなりません。

3. 対戦
 いよいよ対戦です。
 大会形式は特に決められていないので、スイスラウンドやシングルエリミネーションなど、状況に合わせて順位を決めます。


●魅力
シールドデッキ戦は、普段と違う環境で普段と違うカードを使えることが大きな魅力です。
構築戦で弱いカードも、シールド戦では意外な強さを発揮します。
カードのデザインは構築戦だけでなくシールド戦やブースタードラフトも想定するものですから、そのルールで遊ばないで弱いと評価するのはもったいない話です。
構築戦と違って、毎ターンサポートを使った高速展開が難しいため、少しゆっくりしたペースの対戦を楽しむことができます。

せっかく新しいパックを買うのですから、たまにはこんな遊び方はいかがでしょうか?


●まとめ
主催者の用意したパック基本エネルギーを使って40枚デッキを作る。
自分の用意したカードや、人とトレードしたカードは使えない。
デッキを作ったら、対戦して順位を決める。

デッキ枚数:40枚
同じカード:4枚まで
パック数:決まりなし (10パックを推奨)
構築時間:30分間
基本エネルギー:主催者が用意したものを必要な分だけ借りる
7週にわたってお送りしたWCS2014へのテーマ連載。先週土曜日をもって完走しました。
最終週では予告をした日に掲載できず、すみませんでした。
各週はテーマに関することのみで、第7回でも全体の締めをしていません。このあとがきをもって連載を終わりにします。

各回へのリンクは以下の通りです。
テーマに沿った各回に加えて、予告ではテーマ連載全体のコンセプトや注意点を書いています。

予告
http://blog.livedoor.jp/ootsuki_mire/archives/52037719.html
第1週 WCSの主催者の話
http://blog.livedoor.jp/ootsuki_mire/archives/52038397.html
第2週 2本先取の話
http://blog.livedoor.jp/ootsuki_mire/archives/52039076.html
第3週 コインとダイスの話
http://blog.livedoor.jp/ootsuki_mire/archives/52039862.html
第4週 ジャッジと通訳の話
http://blog.livedoor.jp/ootsuki_mire/archives/52040624.html
第5週 文化の違いによるルールへの影響
http://blog.livedoor.jp/ootsuki_mire/archives/52041351.html
第6週 大会運営の話
http://blog.livedoor.jp/ootsuki_mire/archives/52042130.html
第7週 気候と生活の話
http://blog.livedoor.jp/ootsuki_mire/archives/52043020.html


このテーマ連載は、情報よりも経験を伝えるようにしています。
予告にも書きましたが、正確性は重視しないので注意してください。
といいつつ、ルールを伝える部分では、間違いがないように気を付けています。
(ただし、直観的な理解の邪魔になる、細かい情報は省略します。)

また連載の途中で新しく情報が公開されたこともありましたが、投稿済みの記事の修正はしていません。


連載を始めた頃は、私自身はWCS2014へは行かないつもりでした。
ところが第2週を書いたあたりから渡米を意識し始めて、記事の執筆と、自分の練習でポケカ用の時間の取り合いになりました。
「自分は行かないから、他の人のサポートをしよう」が動機の一つだったので、その状態は辛かった。
LCQの予約が取れず渡米をやめたので、今は元の状態に戻りましたが。

私は、デッキや練習でのお手伝いはあまりできません。
その代りに、このテーマ連載が今年の日本代表やLCQ挑戦者の役に立つことを願っています。
国内に残る人は、一緒に応援しましょう。
これでWCS2014へのテーマ連載を終わりにします。
ありがとうございました。


テーマ連載に関すること、またその他に気になることや質問があれば、この記事に遠慮なく返信してください。
できる限りお答えします。
テーマ連載もついに7週目になりました。
WCSの期間中はポケモンカード漬けの生活を送ることになります。
しかし人間ですから食事が必要で、そのためには買い物に行かなければなりません。
当然、体調管理も重要です。
海外旅行経験があれば常識だろうことも含まれますが、WCSならではの面もあります。
最終となる今回は、大会に集中するための現地での過ごし方をテーマにします。

テーマ連載の概要については、予告の記事を確認してください。
http://blog.livedoor.jp/ootsuki_mire/archives/52037719.html


●気候
8月のワシントンD.C.(D.C.※1)の気温は最低気温20℃強、最高気温30℃ほどだそうです。
8月の東京よりも、少し涼しいくらいでしょうか。
D.C.は桜の名所ということもあって、日本に近い気候のようです。

※1日本ではワシントンで通じますが、ワシントン州が存在するため注意です。地理的に全く別の場所です。

なので屋外は日本と同じ格好で問題ないのですが、そう簡単にはいきません。
なぜかというと、屋内が寒いからです。
エアコンがかなり強くかかっていて、体感的には20℃くらいでしょうか。
欧米系の人はアジア系の人よりも体温が高いそうで、快適に過ごすために設定温度が低めになるそうです。
目安として、東京の10月下旬の服装を用意していけば良いと思います。
暑かったら脱いで調節できるようにしておきましょう。


●お金の話
海外旅行で現地通貨への両替は基本ですが、クレジットカードで殆どの支払いが可能なのであまり多くを米ドルに替える必要はありません。※2
またクレジットカードや、一部の銀行のキャッシュカードでキャッシュディスペンサー(ATM。英語ではこう呼ぶ。)から米ドルの引き出しが可能です。
空港の両替店は手数料が高いですし、人による両替は詐欺の危険があるので、個人的にはお勧めしません。
※2もちろん、お金の使い方次第ですが

米ドル紙幣には1ドル札から100ドル札まで種類があります。
ただし通常使うのは20ドル札までなので、両替やその他の機会に紙幣を受け取るときは、20ドル札までの紙幣で支払ってもらいましょう。※3
また、旅行者にとって最も重要なのは1ドル札です。
ベッドメイクをはじめとしてチップのために使用する機会がとても多いので、1ドル紙幣が不足すると苦労することになります。※4
※3日本円に比べて偽札が多いので、受け取りを嫌がられる場合があるそうです
※4ベッド一つにつき、一晩1ドルです。省略するべからず。省略するなら、無銭飲食と同じくらいの覚悟をしましょう

硬貨には1セントから100セントまであります。
そのなかで、25セント(クォーターダラー)が最も重要です。
というのもアメリカの自動販売機には釣り銭がなく、大抵はクォーターダラーが複数必要になります。
しかも物理的に受け付けない構造になっているため、例えば10ドル紙幣があっても買い物ができない、なんてことになりかねません。
経験上特に困るのはコインランドリーで、クォーターダラーが7枚必要だったこともありました。


●買い物
大会期間中に意外と苦労するのが、食事の確保です。
どうしても夜が遅くなりがちなので、対戦が終わった頃にはバーしか営業している店がない、なんてこともしばしば。
日本では24時間営業のチェーン店やコンビニがすぐに見つかりますが、、アメリカはそうではありません。
勝ち残って会場を離れられないときは、人に頼んで持ち帰りができる店で買ってきてもらうのが良いでしょう。
そして、手が開いている人は協力してあげてください。

余談ですが、アメリカで買い物をしていると少額のお釣りが省略されることがあります。
そういう文化なのか、誤魔化されているのかわかりませんが、先に書いた通り額面の小さいコインは持っていてもあまり意味がありません。
そういうものだと思って深く考えない方が、ストレスなく過ごせると思います。



普通の海外旅行アドバイスのような内容でしたが、服装の話は特に重要です。
このテーマ連載シリーズで、第2回のマッチ戦の解説の次に重要だと考えています。
代表選手にこの話をすると、ほとんど例外なく帰国後に感謝されますし、多くの人が役に立ったアドバイスとして挙げている項目です。

食事について個人的な感想を言わせてもらえば、日本ほど食事が美味しい国は他にない、に尽きます。
高級レストランならともかく、低価格帯なら間違いなく日本に分があります。
10ドル前後の食事なら、味はあまり期待しない方が良いでしょう。(個人的な感想です)
私の感覚では、20ドルくらいから美味しい食事ができる印象です。ハワイで食べた、20ドルのハンバーガーは旅の記憶に残る味でした。
ちなみに、悪い意味で記憶に残っているのはバンクーバーの空港で食べたうどんです。あのうどんには、「だし」という概念がありませんでした。

これでテーマ連載第7回を終わります。
戦いに行くとはいえ旅行であることに変わりはなく、楽しんできてください。


おまけ情報
●空港
お盆の時期なので、手荷物検査や出国審査は尋常でないくらいに混雑します。加えて、国際テロ組織が新型爆弾を開発したとのニュースがあり、空港での検査はさらに厳しくなる可能性があります。空港へは余裕をもって(1時間半以上前?)向かうようにしてください。
このテーマ連載も残り2回になりました。
対戦の話は第4週で終了し、前週は意識の違いについてお話ししました。
今週と最終週は、大会の対戦以外の部分や、現地で過ごす注意点をお伝えしていきます。
本日時点で代表選手の方には当日のスケジュールが届いているそうですが、私はまだ見ていないので反映していません。

テーマ連載の概要については、予告の記事を確認してください。
http://blog.livedoor.jp/ootsuki_mire/archives/52037719.html


いきなり国内の話ですが、昨年のバトルカーニバルは対戦が先着順だったため、早起き大会とも揶揄されました。
会場によっては朝7時から並んでもスタート時に対戦できないこともあり、対戦はもちろん体力的にも厳しい戦いでした。
今年のリザードンメガバトルは事前応募制で集合時間に会場へ行けばよく、改善が図られていました。

では、WCSはどうでしょうか?

実は、これもかなりタフな戦いになります。
WCS2013がどんなタイムスケジュールだったか、思い出してみましょう。
特に断りがない場合、マスターリーグの話です。
(マスターしか参加していないので、他のリーグは詳しくありません。)

まずDay1。LCQは9~10時に受付を行い、対戦開始は11~12時ごろです
その後Best of Three Matche(BO3)で8回戦を行い、すべて終わったのは23時ごろでした。
その間、1時間程度のお昼休憩はあったと思います。

続いてDay2、国内で権利を獲得した選手はここから参加です。
私は当事者ではないので記憶が曖昧ですが、8~9時くらいの集合だったと思います。
ここから30分1本勝負のスイスラウンドを8回戦行い、シングルエリミネーションに進む32人を決定しました。終了時間は18時過ぎだったと思います。
しかし、Day2はまだ終わりません。
そのままBO3のシングルエリミネーションを行い、TOP4まで決めてしまいます。
その場にいませんでしたが、すべての対戦が終わったのは25時過ぎだと聞いています。

ただし、ジュニアとシニアはシングルエリミネーションに進むのが16人ですから、対戦数は少なくなります。
スイスラウンドの対戦数も少ないのではないでしょうか。
Day2の対戦から解放されたのも、23時より前だったと思います。

Day3は1~2マッチするだけなので、拘束時間も集合時間も緩やかなものでしょう。
決勝戦がジュニア、シニア、マスターと別々に行われ、ステージとストリーミング放送で公開されます。
その時間を確保するために、Day2に大量の対戦を詰め込むのでしょう。


いかがでしょうか?
対戦の技量以外に、体力が必要だと思われたのではないでしょうか。
これは2013年の事例なので、2014はまた違ったものになると思います。
(スイスラウンドがBO3になりますし。)

余談ですが、時間の告知は比較的ルーズです。
大会の開催時刻は決まっていますが、対戦の開始時刻、大会の終了時刻は大きく告知されません。
せいぜい、休憩時間が何時までかアナウンスされるくらいです。紙での掲示はなかったと思います。
何回対戦をするのかも、当日アナウンスされました。


話の規模を少し落とします。
当日は様々な書類がありますので、それについて少し。
今回のメインは「体力的に大変」という点なので、記事としてはここで締めたいと思います。
次週最終回は、現地での生活についてです。
日本とアメリカ、習慣が違うのはもちろん、物理的にも意外と苦労します。

●デッキリスト
英語では、デッキレシピのことを「Deck List」と呼びます。
WCS、LCQともに対戦前にデッキリストを提出します。
提出のタイミングは、経験上プレイヤーズミーティング※だと思われます。
※大会前の説明会。もちろん、英語です。

デッキリストの紙は代表選手には事前に配布されますが、LCQ参加者は自分で用意する必要があります。
会場で手に入ると思いますが、事前に公式ページからダウンロードすることをお勧めします。
http://www.pokemon.com/us/play-pokemon/about/tournaments-rules-and-resources/

言語は英語、かつ英語セット名で記入することをお勧めします。
セット名やカードナンバーは、翻訳の準備と同じく公式のカード検索で調べられます。
http://www.pokemon.com/us/pokemon-tcg/pokemon-cards/
プロモカードは載っていませんが、そのプロモが使えることを確認した手段(オークション、何かの画像など)で確認できるはずです。
それが確認できない方法で知ったなら(人に聞いた、など)、そのカードは使わない方が無難かもしれません。

日本語、日本語セット名でも受け付けてもらえる場合もあります。
しかし、確実とは言えません。


●対戦組合せの発表
対戦相手は、直前に組合せ票の掲示によって発表されます。
組合せ票のフォーマットは以下のようになっていて、ファーストネームのABC順に並びます。
「Table, Name(Won/Lost), Opponent(Won/Lost)」
Tableはテーブル番号で、対戦する場所を示します。
Nameは自分の名前、Opponentは対戦相手です。
自分と相手の勝敗状況もわかりますが、これは去年のスイスラウンドの場合なので、今年はDrawの表記も加わるかもしれません。


●対戦結果の記録
席に着くとテーブルに小さな紙が置かれていて、これが対戦記録用紙です。
うろ覚えですが、内容はこんな感じです。
「 名前 vs 名前 」
空白の場所にゲームの勝敗を書き込み、マッチの勝敗が決定したらサインをします。(イニシャルでOK)
1枚の紙に2人で書き込みます。
ゲームの終了ごとにスタッフを呼び、マッチが終わったらスタッフに紙を渡して終わりです。
たまに、ランダムデッキチェックが入ることがあるかもしれません。
やや不穏当なタイトルでお送りします。

ポケモンカードではコインを使用しますが、コインをお金で代用しないこと、というルールがありました。
まだTCGというジャンルが一般的でなかった頃、カードゲームには賭け事のイメージで見られたそうです。
ポーカー、ブラックジャック、花札などはカジノや賭場の定番です(らしいです)。
机の上にお金が出ていると賭けをしているように見えてしまうので、未然に防ごうというわけです。


話は変わりますが、今年からWCSの権利獲得の最後の機会であるLCQに、日本国内で申し込みができるようになりました。
そのページの下部に小さく、「一部のカテゴリにおいて参加費用をお支払いいただく場合がございます。」とあります。
アメリカの大会はマスターリーグのみ参加費を徴収しているので、日本で申し込んだ場合は免除されるということでしょう。

なぜか?

いろいろ考えてみたのですが、刑法の賭博及び富くじに関する罪に理由があると考えます。
ご存じのとおり、日本ではギャンブルは違法です。
宝くじや競馬などは、別途法律で特別に許可されています。

少し前に読んだカジノ解禁に関する記事では、賭博を「参加者から徴収した金品を、確率の絡む結果により再分配すること」と定義していました。
そしてこれはTCGにも当てはまります。
なので、国内で金品を賭けてポケモンカードの大会をすれば、違法となるはずです。

LCQの話に戻ります。
この場合、主催者も大会が行われるのもアメリカですが、日本も申し込みの場所として当事国になります。
そして、WCSには賞品がありますし、上位には賞金(奨学金)が支給されます。
海外のクジをインターネットなどを通して購入すると違法なので、LCQに日本で申し込んでも同じことでしょう。
LCQへの日本での申し込みを適法にするために、参加費が免除されているのだと思います。

ちなみに、日本には賞金の出る麻雀の大会があるそうです。
こちらは参加者からお金を徴収せず、スポンサーからの資金で運営し賞金を出しているそうです。
TCGの公式大会も、主催者とスポンサーが同一ですが同じ仕組みですね。

さて。
各地で行われているお店の大会や、非公認大会はどうでしょうか?


なお、私は弁護士ではありませんし、専門的に法律を勉強したわけではありません。
なので、間違いがあったら指摘をお願いします。
第5週は少し一休み。対戦とは直接関係しない、あまり意識されない日米の違いを紹介します。
ポケモンカードとは日本人、そしてアメリカ人にとってどういう存在なのか?
日本語でするゲームと、英語でするゲームは何が違う?
そういった背景を知っていると、会場の風景が少し違って見えるかもしれません。

今回はこれまでよりも推測が多くなります。気に入らない部分もあると思いますが、話半分に聞いていただければ。

テーマ連載の概要については、予告の記事を確認してください。
http://blog.livedoor.jp/ootsuki_mire/archives/52037719.html


突然ですが、歴史の話をします。
TCGというゲームジャンルは、1993年にアメリカで発売されたマジック・ザ・ギャザリング(MTG)から始まりました。
それから3年後の1996年、ポケットモンスターカードゲームが日本で発売されました。初めての国産TCGでした。
TCGはテーブルトークRPG(TRPG)から派生したゲームで、MTGもTRPGのプレイヤー(大学生~)を対象としていました。(製作者が大学院生で、学生仲間で開発したそうです。)
一方でポケモンは発売前からコロコロコミックとタイアップしており、ターゲットは完全に小学生でした。
第一弾スターターの発売直前に雑誌にプロモカードが付くほどです。

経緯を見て分かるように、始まりはMTG=大人の趣味、ポケモン=子供の遊び、です。
私見ですが、これはそのまま両国のTCGへのイメージにつながっているように思います。
では、子供のアニメ※1であるポケモンのTCGの扱いはどうか?
子供向け、大人向け両方の側面を持っていますが、大会の場においては大人向けの側面が強く出ているようです。
※1アメリカでは、ゲーム発売前にアニメの放送が開始しました

このテーマ連載の中で、アメリカのルール体系は日本よりも細かく規定されていることが感じ取れたと思います。
それはアメリカがしっかりしているからという単純なことではなく、大人の競技として必要だったからではないでしょうか?
反対に日本では子供向けなので、難しくすれば敬遠されます。
また大会形式そのものも、時間や期間が長く、子供が親にねだって連れてってもらうようにはできていません。(大会形式は次回のテーマです)

実際、アメリカで開催されるLCQの参加人数はマスターリーグが最多で、ジュニアリーグはその数分の一、シニアはさらにその半分程度です。
アメリカ以外の規模が小さいナショナル大会では、ジュニアリーグの参加者が0人ということも、珍しくありません。

また、海外のポケモンカードは高価です。
日本では5枚150円ですが、アメリカでは10枚5ドルです。
今は1ドル=100円程度ですから、英語版は1.5倍以上の価格差があります。※2 ※3
さらにアジアなどでは輸入品扱いになるため、更に高くなります。
シンガポールの伊勢丹で見かけたときは、1パック=9シンガポールドルでした。当時の1シンガポールドルは、0.9米ドルほどです。
そのため、海外のプレイヤーは教育水準が高いお金持ちが多いです。
前回の追記で英語ができる人ばかりと書きましたが、そういう事情もあるのでしょう。
※2ちなみに、1箱36パック入りで180ドルです。
※3実際には量販店やネット経由で少し安く買うようです。ウォルマート(スーパー)では1パック4ドルです。



さて、またもや唐突に、語学の勉強をしましょう。
対戦前に言う「よろしくお願いします。」は、英語で何というでしょう?
正解は、該当なし、です。似た概念がないので、対戦開始時には「Good luck」です。
お互いの健闘を祈るとか、良いゲームにしましょう、といったところでしょうか。

当然ですが、ゲームのルールは言語化されて発表されます。
ということは、使う言語によって表現できる限界があるということです。
冒頭の問いかけはルールではありませんが、ルール上に翻訳困難な概念があれば、同じように言語によって意味が変わることがあり得ます。

XYになるまで問題だった「0枚サーチの扱い」も、同じ問題だったと考えています。
例えばですが、待ち合わせを全員がすっぽかしたとき、日本語では「誰も来なかった。」と言いませんか?
来ない、つまり否定文です。
英語では「Nobody came.」です。0人が来た。肯定文です。
どうでしょうか? 同じことを表すにも、だいぶ表現が違います。
日本語が来るか来ないか、来たなら何人か、を問題としたのに対して、英語では何人来たか、に0を含んでいます。
そもそも、日本語にゼロという概念が馴染みません。
「0」を英語で「ゼロ」と読むところにそれが表れています。日本語では「0=零=れい」です。

このような言語の特性によって、山札を0枚選ぶことへの心理的抵抗に日米で差があったとは考えられないでしょうか?※4
これはあくまでも仮説です。他にも「非公開情報だから」など理屈はつけられますし、海外でもトラッシュのカードを0枚選ぶことはできません。
※4MTGでも0枚選ぶことができるそうです。

ただし、今年のWCS2014ではこういった言語によるルール問題は特にありません。
有名なルール解釈の違いは「前のターンからいるメタモンがへんしんしても、そのターンは進化できない」「トラッシュに4枚プラズマエネルギーがあっても、アクロママシーンを使える」くらいです。
ですが、細かい部分で言語や文化による解釈の違いがあるかもしれません。

言語の問題は日本語英語間だけではなく、例えば英語フランス語間でも起こり得るはずです。
日本と韓国以外では、すべて英語を正とすることで解決しています。
WCSでも例外ではなく、日本語と英語で食い違いがあればすべて英語が優先されるので、注意してください。


散文でお送りしましたが、いかがだったでしょうか?
冒頭にも書いた通り、今回の内容はゲームに直接の影響を与えません。
ですが、せっかく日本以外の場所でゲームをするのなら、背景の違いも感じ取ってほしいと思っています。
あまり深く考える必要はありませんが、心の片隅にでもおいてもらえると嬉しいです。
次回は大会関係に戻って、大会の運営状況やスケジュールについてお話しします。


今回のテーマとは関係ありませんが、トムリンさんが良い記事を書いているので紹介します。
対戦に英語なんて必要ない、というお話。
http://tmy310sugar.diarynote.jp/201406262239191878/
テーマ連載 第4回はジャッジと通訳についてお話しします。
細かいルールはさておき、WCSでのジャッジや通訳はどういうものかをメインにお届けします。
テーマ連載の概要については、予告の記事を確認してください。
http://blog.livedoor.jp/ootsuki_mire/archives/52037719.html


まずジャッジについて。
基本的に、日本の公式イベントのジャッジと同じ存在と思って良いです。
会場に複数人配置されていて、対戦数が多いときは呼び出しに応えて、決勝など重要な対戦ではテーブルに1人以上が付いてルールやゲーム進行の判断をします。
ヘッドジャッジがおり、担当ジャッジの判断に納得がいかない場合上告できることも同じです。
ただし、その多くをボランティアスタッフが担っていることは第1週で紹介した通りです。
Professor Programというものがあり、一定の条件を満たしたコンシューマーがジャッジとして活動できるようです。

ジャッジがゲーム中に行うべき判断は、ドキュメント化されておりプレイヤーが読むことができます。※1
それによれば、プレイヤーに与えられるペナルティで現実的なものは以下の通りです。
注意、警告、サイドロス、サイドロス(複数)、ゲームロス
累積による加点もあるため、一度ペナルティを受けた場合は注意が必要です。
詳しく説明しませんが、遅延の判断基準が秒単位で書いてあったりと、かなり細かい内容となっています。※2

※1 以下のページ「Penalty Guidelines」
http://www.pokemon.com/us/play-pokemon/about/tournaments-rules-and-resources/

※2 詳しく説明しないと言いつつ、少しだけ。デッキサーチとシャッフルは合わせて15秒、一つ前のアクションから次のアクションまでの思考時間は10秒、など。サーチの時にサイド落ちをチェックすれば、あっという間に基準に達します。ただし、基準が存在してとしてもその通りに運用されるかは話が別です。


ところで、WCSのジャッジは日本のジャッジに比べてルールを厳しく適用する傾向があります。
例えば「山札の上がめくれてしまった」といった場合、日本ではお咎めなしも多いですが、WCSではもう少し厳しい判断が下るかもしれません。

また、WCSのジャッジは英語しか話しません。
本人の語学力に関係なく、英語以外話してはいけない規則だそうです。※3
プレイヤーが英語を話せない場合、後述する通訳を介してコミュニケーションをとります。
当然 微妙なニュアンスの違いや、伝え間違いの危険があるので、英語で直接ジャッジと話すが有利になります。

※3 日本人のクリーチャーズ社員がジャッジを務めたとき、日本人と日本語で会話したことが「アドバイスを与えている」と誤解されたことがきっかけでルール化されたそうです。あくまでも、噂です。


続いて通訳について。
当然ですが、国内大会には存在しない概念です。
世界中から人が集まる、WCSならではの役割と言えます。

きちんと確認したわけではありませんが、おそらく通訳は「各言語⇔英語」のみです。
日本語話者とスペイン語話者が会話したい場合、
日本人プレイヤー → 日本語通訳 → スペイン語通訳 → スペイン人プレイヤー
という経路になります
ルールの判断が必要な時は、両通訳に間にさらにジャッジが入ります。

担い手がボランティアであることは、ジャッジや他のスタッフと同じです。
もちろんプロの通訳ではありません。
今まで私が会った日本語通訳は、日本好きの外国人(留学経験なし)、日本留学経験者、日系人といった方々でした。
日本はポケモンインターナショナルの影響下にないので、日本在住日本人の通訳は会ったことがありません。
ですが、今年は1人いるという噂もあります。


ジャッジ・通訳ともに、助けが必要な時は手を挙げたり声を掛けたり、目線で訴えるなどして呼べば来てくれます。
近くにいないときは、スタッフの方に呼んでもらいましょう。
「Judge」「Translate Japan」と言えば通じると思います。
ジャッジは結構な人数がいますが、日本語通訳は各リーグ1名程度しかいないので、来るまでに時間が掛るかもしれません。


だいたい、こんなところでしょう。
呼ぶ側の心構えですが、海外プレイヤーは日本人に比べてジャッジも通訳も積極的に活用する傾向があるように思います。
疑問に思ったらとりあえず呼ぶイメージですね。そしてそれは正しいことです。
しかし日本語カードの内容確認でいちいち人を呼んでいてはきりがないので、英語版のテキストを確認する手段を用意しておきましょう。
公式では、公式ページのカードデータベースの使用が推奨されています。
Modified Legalを指定することで、現在の大会レギュレーションに合うカードだけを検索してくれます。
ポケモンの名前がわからなければ、Wikipediaで調べることができます。
ただしプロモーションカードは載っていないので、別の手段で用意してください。
http://www.pokemon.com/us/pokemon-tcg/pokemon-cards/?1-xy=on

第4週、ジャッジと通訳の話は以上です。
前回と同じく、おまけ程度の話をつけて終わりにします。


●ジャッジと通訳も、選ばれるかいつもドキドキ
ジャッジや通訳のボランティアは、アメリカだけでなく世界中から集められます。
6月か7月くらいに招待の連絡があるそうで、毎年選ばれるかどうかドキドキなんだとか。
ジャッジと通訳の両方できる人は、どちらになるか招待されるまでわからないと言っていました。

●文章の翻訳
今回のメインテーマは会場での通訳でしたが、その他にも文章の翻訳者が必要になることもあります。
ある年のWCSに、日本人選手向けに日本とのルールの相違点をまとめた紙が配られたことがありました。
主催者が用意したものですが、翻訳を作ったは普通の日本人プレイヤーです。
その人はジャッジと知り合いで、そのツテでボランティアを頼まれたそうです。

●英語を話せないのは誰?
あくまで自分の経験によりますが、WCSに来るような大人に英語を話せない人はまずいません。
ドイツ人もフランス人もメキシコ人もブラジル人も、みんな英語でコミュニケーションが成立しました。
さすがに子供は母語のみの子が多いのでしょうが、英語をある程度抑えておけば、あまり心配はいりません。

●日本語のアナウンス
WCSの日本人参加選手が増えたからか、はたまた英語ができない人が多いからか。
日本語で会場アナウンスがされる年もあります。
事前にわからないのが難しいところではありますが、もしアナウンスがあれば我々としてはだいぶ楽になります。

●対戦中によく使う英語
対戦中に使う用語ももちろん英語です。
公式ドキュメントによく使う言葉やポケモン用語の翻訳集があるので紹介します。
http://www.pokemon.com/us/play-pokemon/about/tournaments-rules-and-resources/
World Championships Battle Dictionary
テーマ練習の第2回で紹介したBest of Three Match(BO3)ですが、kiraさんの練習会で実際にやってみました。
今回はみれの感想をお届けします。

参考 第2週:2本先取の話
http://blog.livedoor.jp/ootsuki_mire/archives/52039076.html


まず、今回行ったのはBO3のスイスラウンド版です。
延長戦をせず、勝ち数が同じ場合はそのまま引き分けになるパターンですね。
予想通りといいますか、あの記事を読んでくれている方でもシングルエリミとの差異の把握に苦労しているようでした。

私の対戦はこんな感じです。

デッキ:カエンジシ系
1:イベルダークダスト系 ×○× 時間内
2:フレフワン系 ○○ 時間内
3:イベルダーク系 ○×○ 時間内
4:イベルダークゾロア系 ×○○ 時間内

というわけで、私の対戦に限ればすべてが時間内に終了しました。
もう少し時間ぎりぎりまでもつれ込むと思っていたので、意外です。

とはいえ、時間を短縮する要因はいくつもありました。

1. 知り合いとの対戦なので、やり取りがスムーズ。
2. 日本語での対戦なので、やり取りがスムーズ。
3. 練習なので、必要以上に考え込まない。
4. 子供との対戦も多いので、(相手の)思考時間が早い。
5. カエンジシなので、お互いにプレイの要点が明確で判断が早い。

こんなところでしょう。
本番では全体的に対戦が長くなることが予想できます。

5番については、事前の予想とは違う結果になりました。
カエンジシがいるともつれるイメージを何となく持っていましたが、
実際は「カエンジシが生きるか潰れるか」と勝負の分かれ目が明確なため、お互いに選択肢が少なくなりプレイが高速化されている印象でした。

今回は感想の記事なので、取り留めなく終わります。
テーマ連載第3週はコインとダイスの話をメインにお送りします。
海外ではサイコロ(ダイス)を使う人が多いことを知っている人も多いと思います。
ですが、実はコインとダイスの話には基本ルールに関わる、日本との大きな違いがあります。
今回はそれも含めてお話していきます。

テーマ連載の概要については、予告の記事を確認してください。
http://blog.livedoor.jp/ootsuki_mire/archives/52037719.html


●基本
コインには表と裏があります。英語では表を「heads (ヘッズ)」、裏を「tails (テイルズ)」と呼びます。
また冒頭にも書いたように、コインの代わりにダイスを使う人がたくさんいます。
大会ルールにもRandomizerとして、コインとダイスが同列に扱われています。
表裏との対応に明確な決まりはないようですが、慣習的に偶数を表と扱うのが普通です。
念のために、ダイスを使う場合は相手と確認した方が良いでしょう。
ダイスの結果の英語は、偶数が「even (イヴン)」、奇数が「odd (オッド)」です。

それぞれ色々とルールがありますが、それは後述します。


●ゲームの開始
先攻プレイヤーを決めるとき、日本ではじゃんけんをしますが、
海外のルールではコインフリップによって先攻プレイヤーを決定します。
片方がコインを投げ、もう片方が結果を予想します。当てた方が先攻です。
相手が投げる場合は「Heads or tails?」と聞いてくれるので、好きな方を答えましょう。

そしてここが重要ですが、日本とは先攻プレイヤーを決めるタイミングが違います。

日本では、以下の順番です。(簡略化します)
1. 山札を切る
2. 手札を7枚引く
3. ポケモンを場に出す
4. サイドカードを置く
5. 先攻プレイヤーを決める
6. ゲーム開始

海外では、以下の順番です。(簡略化します)
1. 先攻プレイヤーを決める
2. 山札を切る
3. 手札を7枚引く
4. ポケモンを場に出す
5. サイドカードを置く
6. ゲーム開始

日本では、準備を終えてから先攻を決めます。
海外では、準備を始める前に先攻を決めます。
違いが大きいので、気を付けましょう。
(マッチ戦で順番を選ぶ時も同じタイミングです。)


●コインとダイスの共通ルール
コインとダイスに関する基本的なルールは日本のコインのルールと同じです。
テーブルから落ちれば投げなおしですし、3回転以上必要なのはコインもダイスも同じです。
ただし、回転数だけでなく高さの規定があり、コインもダイスも肩よりも高く投げなければなりません。


●コインのルール
ポケモン公式のコインを使う必要があります。
それも何でも良いわけではなく、Ruby&Sapphire以降に発売・配布されたものに限られます。
また日本のコインより一回り大きいサイズのものが存在しますが、もちろんそれも使用できます・。


●ダイスのルール
以下の制限があります。(Randomizerとして使用する場合)
・正6面ダイス
・透明または半透明な素材
・角が丸く、十分に転がる形であること

フリップに使えるダイスは6面体だけです。もちろん、6面でも形がゆがんでいるものや、重心が偏っているものも使えません。
透明であることという規定はイカサマ防止のために近年導入されました。
重りを入れて重心を変えたダイスが市販しています。
そういったフリップに使えないダイスをダメカン用に使う人もいるため、間違えて使うことがないように注意しましょう。


以上、簡単ですがコインとダイスの話をお届けしました。
日本との違いが大きくて、驚いた方も多いのではないでしょうか?
サプライ関連ということで、コイン以外の小物類の話も追記しておきます。

●スリーブ
日本とは違う制限があります。
簡単に並べると、「無地とポケモン柄しか使えない」「端っこ4辺が同じ色であること」「反射するスリーブはダメ」です。
たねぼーぱぱさんが記事にしていますので、詳しくはそちらをご覧ください。
http://seedot.diarynote.jp/201406181956213489

●ダメカン
ダイスをダメカンとして使う人が日本よりも多いです。
そして主催側で用意していないので、持参しましょう。

●電子機器
当然ですが、テーブルに置くことはできません。カバンの中にしまいましょう。
この制限には腕時計も含まれ、デジタル時計は着用禁止です。
アナログ時計は持ち込めますが、あまり頻繁にチェックしているとジャッジから注意されます。

●メモと筆記用具
対戦中にメモを取ることができます。
サイド落ちしたカードや、相手が使ったカード、またはダメージ計算の式などを書き込むことができます。
ただしメモのための時間があるわけではないので、相手のターン中など遅延にならないようにメモを取る必要があります。
また、メモ用紙は対戦開始時に白紙でなくてはなりません。
(事前に調べた情報を持ち込むことはできません。)

第2週の今回は、WCSで行われる2本先取の対戦、正式名 Best-of-Three Matchについてお届けします。
日本では全く行われないこの形式。リザードンメガバトルの決勝戦は2本先取でしたが、それとは少し違うルールで行われます。
戦略に大きく影響するため、今回のテーマ連載の中でも重要な回だともいえるでしょう。
テーマ連載の概要については、予告の記事を確認してください。
http://blog.livedoor.jp/ootsuki_mire/archives/52037719.html


海外の今季の大会は、シングルエリミネーションラウンド(トーナメント)、スイスラウンド(スイスドロー)ともにBest-of-Three Matchで行われています。
いわゆる2本先取なのですが、細かいところで違いがあります。
今期で使われているものを、簡単にまとめてみました。

制限時間:45分以上※ + 3ターン (ドローが3回発生する)
勝利条件:制限時間内に2勝するか、1勝0敗で制限時間を終える。勝利数が同じ場合の扱いは大会形式による。
先攻後攻:ゲーム1は通常のルールに従う。ゲーム2,3は前のゲームで負けたプレイヤーが先攻後攻を選択する。(通常の先攻後攻決定のタイミングで選択)
遅刻の扱い:遅刻をした場合、制限時間内にマッチが終わらなければ負け。5分の遅刻でゲーム1の負け。10分の遅刻でマッチの負け。
制限時間終了時の処理:大会形式による。
※ルール上はマッチの制限時間は下限45分とあり、実際は大会ごとに変わります

さて、「大会形式による。」が2回出てきました。
これはシングルエリミネーションかスイスかによって変わります。
少し詳しく書きます。

●制限時間終了時の処理~シングルエリミネーション(LCQ, 本戦)

・ゲーム1の途中
残りサイドが少ないプレイヤーがマッチの勝者になります。
終了時点で同数の場合はサイド差がつくまで試合を継続します。

・ゲーム2の途中
双方の残りサイドが3枚以上の場合、そのゲームは無効になりゲーム1の勝者がマッチの勝者になります。
どちらかのサイドが2枚以下の場合、残りサイドが少ないプレイヤーがゲームの勝者になります。
終了時点で同数の場合はサイド差がつくまで試合を継続します。
ゲーム2終了時点で勝利数が同じ場合、サイド1枚のサドンデスを行い、勝ったプレイヤーがマッチの勝者になります。

・ゲーム3の途中
残りサイドが少ないプレイヤーがマッチの勝者になります。
終了時点で同数の場合はサイド差がつくまで試合を継続します。

対戦の準備中に制限時間となった場合、次のゲームは行いません。
ただし、1勝1敗の場合はサイド1枚のサドンデスを行い、マッチの勝者を決定します。


●制限時間終了時の処理~スイス(予選)

・ゲーム1の途中
制限時間の終了をもってゲームを中断し、マッチは引き分けになります。

・ゲーム2の途中
制限時間の終了をもってゲームを中断し、ゲーム1の勝者がマッチの勝者になります。

・ゲーム3の途中
制限時間の終了をもってゲームを中断し、マッチは引き分けになります。

なお、対戦の準備中に制限時間となった場合、次のゲームは行いません。
1勝1敗の場合、マッチは引き分けになります。


いかがでしょうか。
簡単にまとめると、シングルエリミではゲームを継続して勝者を決定し、スイスでは細かい判定はせずに引き分けとします。
ルール詳細が分かれており特にシングルエリミは細かいので、しっかりと覚えておく必要があります。
上記は簡略化しているので、詳しい規定は公式文書で確認してください。
http://support.pokemon.com/FileManagement/Download/285237e1e815473dbac38d3a368f84a2

スイスラウンドの上記規定は今期から初めて導入されました。
(以前は30分の一本勝負でした。)
一見して分かる通り、引き分けが発生しやすいルールです。
Twitterで州レベルの大会の結果を見る機会がありましたが、スイスラウンド8回戦の1位ですら、5勝0敗3分というものでした。
引き分けは発生するものと考え、制限時間で3ゲームをどう使うのか、戦略的に考える必要があるでしょう。
2勝0敗が理想ですが、1勝0敗を目指す戦略もありますし、1敗しても残りの時間で2勝できるような、スピードのあるデッキを選択するのも戦略です。

ところで、マッチのゲームでは投了が可能です。
通常30分必要なサイド6枚戦を最大3回行うわけですから、まっとうにやれば60分で終わるわけはありません。
そのため、負ける可能性が高いゲームは早めに見切りをつけて、続くゲームに向けての時間を確保するのは重要な戦術です。
TCG経験がポケモンのみのプレイヤーは投了になじみがないと思いますので、機会を見つけての練習をお勧めします。


今回はBest-of-Three Matchがテーマということで、それのみに絞ってお届けしました。
デッキ選択に直結する部分でもあるため、よく理解して挑むことをお勧めします。

マッチ関連には少し補足があるため、最後に箇条書きします。

・ゲーム1の先攻後攻について
片方のプレイヤーがコインを投げ、もう片方が結果を予想します、
当てた方が先攻です。

・スイスラウンドの順位決定方法
オポネント方式が使用されます。もしかしたらゲーム勝率が優先だったかもしれませんが、オポネントが関わることは間違いありません。
内容はここでは説明しませんが、過去にオポネントについて解説した記事を紹介します。
http://blog.livedoor.jp/ootsuki_mire/archives/51995030.html
WCS ワシントンD.C.大会へ向けたテーマ連載第1回は、WCSの主催者についてをお届けします。
テーマ連載の概要については、先週の記事を確認してください。
http://blog.livedoor.jp/ootsuki_mire/archives/52037719.html


Pokemon World Championshipsは、The Pokemon Company International(以下ポケモンインターナショナル)が主催しています。
ポケモンインターナショナルは(株)ポケモンの子会社で、北米大陸、ヨーロッパのポケモンビジネスを管轄しています。
当然に北米とEU各国の国内大会もポケモンインターナショナルが主催しており、city, regional, national, そして最後にworldというように規模が大きくなっていきます。
サッカーのワールドカップは国際組織としてのFIFAが開催して、その下に大陸毎の連盟があります。
ポケモンでは一つの団体が地域から世界までを統括、日本の(株)ポケモンと韓国のポケモンコリアはそれぞれ別の枠組みで大会を運営し、世界大会へプレイヤーを送り出しています。


●代表選手について
日本では春から夏にかけて行われる公式大会により、WCSの代表選手を決定します。
韓国もほぼ同じ形式でしょう。
北米やEUでも同じく、公式大会の上位者はWCSへ招待されます。
しかしそれ以外にも、Play! Pointという制度による権利獲得者が各リーグで40名※1ほどいます。
ポイントは公式大会でもらうことができ、上位に入るほど、たくさん参加するほどに有利になります。
そのため、時期によっては毎週のように他の州の大会へ遠征するというプレイヤーもいるようです。
公式ページのINVITATIONを見ればわかりますが、日本代表に比べて北米の代表が極端に多いのはこのためです。
※1 北米の場合

ところで、日本では(カードの場合)WCS参加選手 = 招待選手として旅費を(株)ポケモンが負担しますが、海外ではこの扱いを受けられるのはナショナル大会の上位選手のみです。
上記のポイントによる権利獲得選手はもちろんのこと、国によってはナショナルの2位の選手でも、旅費は自己負担の場合があります。
以前知り合ったシンガポールの選手はシンガポール国内2位でしたが、旅費は自己負担。
成田空港を経由で50万円かけて参加しに来たと話していました。


●PTCGの商品展開について
ポケモンカードは日本語と英語はもちろん、フランス語、スペイン語、イタリア語、ドイツ語、ポルトガル語、韓国語が存在します。
北米とEUのエリアではもちろんポケモンインターナショナルが販売しているのですが、実はWCS参加国にもポケモンカードが売っていない国がいくつかあります。
例えばブラジル。世界チャンピオンも出ている国ですが、正式ルートでの販売はないと聞きました。
もちろん非公式の輸入ルートや、インターネットでの並行輸入は行われていて、そうやって手に入れたカードでゲームをしているようです。

ポケモンインターナショナルは様々な言語のカードを販売していますが、その管轄内の大会ならどの言語を使っても良い、というわけではありません。
基本的には、開催国で一般的な言語と、英語版の使用が認められます。
例えばアメリカなら英語版のみ、カナダなら英語とフランス語(ケベック州の公用語)、といった具合です。
これはルール文書に「markets」として記載されています。※2

WCSおよび前日のLCQは北米で行われる大会ですが、参加選手が属するマーケットの言語が使用できます。
ただし基本的には英語版の使用が推奨され、多言語を使う場合は翻訳の準備が必要です。
ちなみに、マーケットに日本と韓国の記載はなく、強いて言うならアジア太平洋マーケットに属しますが、アジア太平洋で使用可能なのは英語版のみです。
WCSで日本選手が日本語版を使える理由は、ルール文書を読む限り不明です。

※2 昔はどの言語でも使えたのですが、翻訳に時間が掛るため大会運営に支障があるとして2009年秋から改定されました。
英語版に比べると日本語版は安いため、個人輸入して使用するプレイヤーが多かったのです。


●スタッフについて
WCSの運営は数多くのボランティアによって支えられています。
受付や案内はもちろん、ジャッジや通訳までボランティアです。
無報酬で参加するくらいですから皆さんポケモン好きで、それがイベントの雰囲気を良い物にしているとも言えるでしょう。
なおスタッフとして参加するとSTAFFロゴ入りのプロモーションカードが貰え、他にも色々とグッズがあるようです。
過去、LCQに出た翌日にサブイベントでスタッフをしていた日本人もいましたから、もしかしたらスタッフ参加するチャンスもあるかもしれません。


以上で、第1回の主催者についてを終わります。
伝えたい情報はもう少し残っていますが、尺を考えると限界でしょう。
ここまでで既に、ちょっとした大学レポート並みの文字数を使っています。
それでは次回、2本先取の話まで。

●余談
そもそも会社が別ですから、WCS参加経験者が言うような「日本も同じ仕組みにしてほしい」というのは難しい話なのでしょう。
それには日本とアメリカでのTCGに対する考え方、商品としての位置付けの違いもあると思うのですが、それは別の機会に。

Trick Room テーマ連載のお知らせです。
6月の木曜日から7回連続で、WCS ワシントンD.C.大会に向けた記事を投稿します。

内容は8月の本大会に向けた環境考察やデッキ解説...ではありません。
大会の形式や大会主催のお話、ワシントンD.C.での過ごし方を扱っていく予定です。
戦略や戦術を考える、ポケモンカードの一番面白い部分は奪いません。


各回のテーマはこうなる予定です。

第1週 WCSの主催者の話
第2週 2本先取の話
第3週 コインとダイスの話
第4週 ジャッジと通訳の話
第5週 文化の違いによるルールへの影響
第6週 大会運営の話
第7週 気候と生活の話

今夏渡米される方をメインターゲットにしますが、その他の方にも「日本代表はこんな環境で戦っているんだ」と応援する材料にしてほしいと思います。
内容は私の記憶と経験をベースにするので、間違いがあるかもしれません。
その分公式情報ではわからないことを伝えていくつもりです。

更新は毎週木曜日の予定
遅れないように頑張ります。

ちなみに。今年、私は行かないつもりです。
でも行きたい気持ちはあるので、誰か具体的な計画付きで誘ってください。
お金と時間は何とかなる。たぶん。
タイトルの内容、どんな考え方が多いのか気になったので、アンケート調査してみました。
調査方法は以下の通り。

みれのTwitterアカウント(@milles_ptcg)にて、以下の内容をツイート。

4/3 22時頃
「アンケート。「強い人はデッキをどんどん公開するべきだと思う? 」 YES/NO 回答は返信にて。3日24時まで。4日中に、純投票数と、理由付き投票数の結果を発表します。 ぜひ理由を書いて返信ください。」

結果、9名の方から返事をもらいました。
すべて、理由付きの回答です。

YES:4名
NO:5名

理由を転記します。

YESの意見
・公開して欲しい。自分も周りもレベルアップするとジムバトルなどの日々の対戦が楽しい。
・公開するにあたって解説を書いておくと周囲のレベルアップになるだけでなく、公開当時に自分が持っていた考えが明確になり、将来他のデッキを作るときに参考にすることで自分のレベルアップにもつながると思う。
・大会終了後のタイミングでいいと思う。レシピよりも「キーカードは何で、何故そのような構築なのか」という説明が知りたい。
・大会後とかのイベント終了時限定(環境の答え合わせ)。全体のレベル上昇や構築の考え方をみんなで取得すべきと思うから。大会中の公開は好きになれない。


NOの意見
・その人のスタンスなので、強要すべきことではない。
・全体に向けて公開する意味がわからないから。
・公開すべき、と他人が言うことではないし本人も公開する義理は何にもないはず。 なんでその人が考えたネタをそれを知らない人に教える必要があるのか、と思ってしまう。
・構築力もそのプレイヤーが苦労して得た技術の一つで、それを他人に教える事は強制するべきではない。
・各々の自由だからと、強い人の構築を想像したり類推するのもスキルアップに繋がると思う。

※用語と口調の統一のため一部編集しています


補足しておくと、アンケート対象が原則的にみのフォロワーであることと、事実上の記名式であることから意見には偏りがあると思われます。
無記名、かつもっと大きな範囲でアンケートを取れば、また違った結果になるでしょう。

アンケート期間終了後、私も意見をツイートしました。
4/4 0時頃
「ちなみに私の考え。 NO 考え方も含めて営業機密のようなものなので、人に推奨するのはやりすぎ。ただ、公開自体は素晴らしいと思う。」


また公開されるべきかどうかは別として、公開されたデッキに対する考え方の記事もありました。
私も概ね同じ考えで、Trick Roomで公開されるデッキの8割はこれにあたります。
CHANGさんの記事へリンクします。
http://darkcharizard40.diarynote.jp/201404032317221838/

個々人それぞれで考えが違って当たり前。
この記事への返信でも、意見を書いてくれると嬉しいです。
なんと、個人からの中古品の買い取り金額には消費税が含まれているらしい。

少し前、カードショップで要らないカードを売った時、金額計算の際に総額を元にして何かを算出していました。
どうやら、買い取り金額の消費税を計算していたようです。もちろん、買い取りの明細書に消費税の項目はありません。
気になって後で調べてみたら、古物商が個人から物を買い取るとき、消費税を支払ったことにして良いというルールがあるそうです。
もちろん、受け取った方は個人なので消費税を納める必要はないのですが、変な感じですね。


さて、ここからは七面倒くさい話になるので、読み飛ばし推奨です。
リクエストがあったので書きますが、続きは気になる人だけどうぞ。

以上のルールによって、消費増税によってカードショップの利益が増えるんじゃないかと思いました。

店は客から受け取った(預かった)消費税を国に納めるのですが、この時に仕入れや経費に掛かった分の消費税分を相殺することができます。
たとえば100円仕入れば消費税を5円支払っているので、200円の売上によって預かった消費税10円を国に納めるとき、すでに支払っている5円を除いて、5円だけ国に納めればいいのです。

ここで個人からの買い取りに話に戻りますが、常識的に考えて増税分を買い取り額に上乗せすることはないでしょう。
現在は買取金額の5%分を消費税としていますが、増税後は8%分が消費税になります。
買取の時の支出は同じですが、その内訳たる「納める消費税と相殺できる支払消費税」の割合が上がっているので、最終的に国に納める消費税が少なくなり、その分店の利益が増えます。

もちろん、消費増税による売上の減少がないことが前提ですが。

※説明重視で、内容の簡略化と専門用語の回避をしています
初めに言っておきますが、大したことは書きません。


私が地雷デッキを作った時、練習の対戦であっても相手に地雷デッキであることを伝えません。
理由の一つは相手の驚く顔を見たいことですが、
もっと重要なのは初見のデッキとの対戦が、相手にとっても貴重な練習の機会になるからす。
2回目からは対戦前に対策を考えることができるため、地雷デッキへの対戦練習としてはあまり意味がないからです。


では何故対地雷デッキをそこまで意識するかといえば、初見のデッキへ対応できるかどうかが、中級者と上級者を分ける決定的な境目になると考えているからです。
メジャーなデッキへの戦い方は練習機会がたくさんありますし、ネットでデッキリストを調べたりして対策を考えることもできます。
しかし、地雷デッキはそうはいきません。
見えた一部分から、相手のコンセプト、入っているカード、弱点となる部分をその場で見つけ出さなければ勝てません。
それができるかどうかが、トーナメントの上位で勝敗を分けるカギになると考えています。


現在はネットで簡単に強いデッキを探せることもあって、一定以上の経験を積んでしまえば実力の差が現れにくくなりました。
それでも、ちょっとした部分が結果を分ける時もあると思っています。
11/26 9:00 うきにん杯のアドレスを訂正
11/25 20:20 GGCの部分を更新

先週末は全国的に多くの非公認大会が行われたようです。
あまりに数が多くて把握するが難しいので、競技志向の大会の上位をまとめてみました。
それぞれの大会で微妙にレギュレーションが違うので、ご注意を。

優勝デッキはガブチルを除くと重複がなく、様々なデッキが群雄割拠しているようです。
ただし、レポートを見ていると各所に「シビビール」の文字がありました。
純粋な数では、レックビールとゼクビールが多いのではないでしょうか。


11/23

東京 みらチャン杯
http://miraichamp.diarynote.jp/201311240038396672/

優勝 ガブチルテラキ 鴨汁君(2012年ジュニア名古屋代表・現シニア)
準優勝 ミュウツーランドロスダストダスゼブライカ Oさん
http://77565.diarynote.jp/201311241040249490/


宮城 ナナホシ杯

優勝 ビールバレット(ゼクロム、バッフロン、ライコウEX他) てぃあさん
http://verdantdance.diarynote.jp/201311242333464990/
準優勝 デオキシスEXボルトロスEXルギアEXアブソル こころみさん
http://amazingardevoir.diarynote.jp/201311242235338385/


11/24

愛知 GGC
※トロピカルビーチ、チャンピオンズフェスティバル使用可能

優勝 ゲノビリデオEX しろがねさん
http://shirogane.diarynote.jp/201311242037444733/
準優勝 カメケルBキュレム のりPさん
http://norip12.diarynote.jp/201311251658201376/


北海道 うきにん杯
http://ukinins.diarynote.jp/201311250001346222/

優勝 レックビール レオンさん
http://satorinreon.diarynote.jp/201311242346256723/
準優勝 ゲノビリ さつさん
http://satsuki515.diarynote.jp/201311242028339171/


神奈川 港南ジム
※公式公開済み新規カード使用可能
※午前・午後の2回開催
http://konanjim.diarynote.jp/201311250858247981/

午前優勝 ミュウツーシンボラー ユウタパパさん
午後優勝 ガブチル あいりちゃん
午後2位(全勝) バッジランド メタモン君
日本人には公開したいけど、海外に情報は流したくない。
そんなニーズに対応するツールを作成しました。
WCSに向けて日本人だけにデッキを公開したい場合などにご利用ください。


●使い方
Trick Room より、トップページ右側の「自動翻訳妨害化ツール 」を使用します。
http://blog.livedoor.jp/ootsuki_mire/

1. 原文を作成し、上段のボックスにコピー&ペーストします。

2. 「細工する↓」ボタンを押します。

3. 下段のボックスに現れたテキストを、ブログなどにコピー&ペーストします。


●使用例
1. 原文

デッキリスト
2 レックウザEX
1 ピカチュウ


2. 翻訳文(Google翻訳)

Deck list
2 Rayquaza EX
1 Pikachu


3. 自動翻訳妨害化後

デッキリスト
2 レックウザEX
1 ピカチュウ


4. 翻訳文(Google翻訳)

De? Head? Huanghua Li? Do? To?
? 2?? Le? Head? Clock? Cormorant? The? E? X?
? 1? Pin? Mosquitoes? Ji? ~Yu? C?



●注意点
・livedoor Blog, Diary Note で効果を確認しました。
・Twitter では効果がありませんでした。
・効果の確認はExcite翻訳、Google翻訳で行いました。
・その他の条件での効果は不明です。
・恐らく検索エンジンに対しても効果があるため、検索の対象外になります。
・文字数とデータサイズが増えます。
・理屈は非公開です。
久しぶりに記事を書きます。
ノートPCのキーボードにガタがきてしまい、文章が打ち難くて仕方ありません。
5年使ったし、そろそろ買い替え時でしょうね。

時期を逃していますが、プラズマ団デッキ(キュレム軸)※以下プラズマ の本質について話します。
本来はサンプルレシピを並べるべきですが、探せば良質なレシピがたくさん見つかるので省略します。


プラズマの本質は、ウィニーデッキです。
ウィニー(weeny)とは「小さな」という意味で、デッキとしては序盤から使える小型のアタッカーを複数使い、数の力で攻める速攻系の戦略です。
ポケモンカードでは同時に複数のワザを使えないので、基本的には成立しないデッキタイプです。

それなのにプラズマが何故ウィニーデッキになるかというと、デオキシスEXのパワーコネクトのせいです。
ワザを使うのはバトル場の一体だけですが、「序盤から使えて」「数を増やせば攻撃力が上がる」この特性は、間違いなくウィニーの特徴です。
他にも序盤向きのライデンナックルが使えるボルトロスEXや、回数制限があるものの序盤に使いやすい加速手段であるアクロママシーンも、ウィニーと相性が良いと言えるでしょう。

さて、デッキタイプの基本的な相性関係では、速攻>中速>耐久>速攻 という基本があります(あるそうです)。
ですがプラズマは、一時期は一強に近い勢力を誇りました。
なぜかというと、キュレムのブリザードバーンに中速としても十分以上の性能があったからです。
そのため、速攻デッキとして序盤で有利を作った後、中速デッキとして中盤の戦いで不利にならない、基本を無視したゲーム展開が可能になりました。
ブリザードバーンには中速デッキとして必要な「攻撃の継続性」にやや難がありますが、ポケモンいれかえなどで十分にカバーできることと、高すぎる基本性能でそれほど問題にならなかったようです。


純粋に対プラズマを戦えたデッキというのは、あんまり多くありません。
白銀の鏡やフワライドといった専用対策カードを使うデッキを除けば、ゴチアギ、ダークライ、カメケルキュレム位でしょう。
プラズマでは解除が困難なロックを掛けるゴチアギは、ある意味で隙を突いたデッキだと言えます。
ダークライの場合は、ナイトスピア、悪のツメ、毒催眠光線の組み合わせが、ダメージレース上対プラズマに非常に効果的に働きました。
この2つのデッキは相性的な要素でプラズマと戦っていたので、純粋なデッキとしてのパワーで戦えたのはカメケルキュレムだけといえるでしょう。


今までのポケモンカードの中でウィニーと呼ばれるデッキはマグマ団やロケット団などがありましたが、それらはたねで速攻するというだけで、数で攻める要素は希薄でした。
そう考えれば、プラズマはポケカ史上初めての、本質的なウィニーなのかもしれません。
(ただし、旧裏のカスミウィニーやDPtのカゲボウズは、ポケモンでなくプラスパワーなどのトレーナーの数の力を使っていました。少し違う形で、正しくウィニ-だったかもしれません。)

11月8日のルール改正の後は、ポケモンキャッチャーのエラッタと先攻のワザ使用禁止によってゲーム展開が少し後ろにずれることが予想されます。
それによって、大幅とは言わないまでも多少はウィニーデッキとしてのプラズマの勢いが削がれることにはなるでしょう。

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