コラム:「デッキを載せることについて」について
2016年9月5日 考察 コメント (9)うきにんさんの、「デッキを載せることについて」を読みました。
WCSで活躍した「ファイアロー入りゲッコウガ」のデッキリストを入り口に、日本の状況を憂いている記事です。
http://ukinins.diarynote.jp/201609042350169069/
現実として、日本には60cards※のようなデッキリストやレポート、研究結果を公開するサイトがありません。
皆さん、個々のDNやTwitterで公開しています。
それが情報収集を難しくして、うきにんさんが憂う状況を作っていると考えます。
※http://www.60cards.net/
記事を読んだあと、考えたことを色々とtweetしたので引用します。
「日本の場合、デッキリストの紹介記事やツイートはそれなり以上にあると思います。
しかし個人のスペースで発信されるため、集約されません。
リアルタイムで情報を追っている人しか触れられず、ライト層が情報にアクセスしにくい。
後から追いかけることも難しく、印象として少なく見えてしまいます。」
「デッキリストを集約する試みは、実は定期的に行われています。
しかし、宣伝不足で小規模であったり、無断転載など問題があったり、通販サイト直結で警戒されたりと現在広く定着しているものはありません。」※2
「他のゲームには存在する、大規模な交流サイトやまとめサイトがポケカに存在しないのは不思議です。
必要だと言われ続けて、実行する試みも少数ながらあるのに、なぜか定着しません。
不思議です。」
「以下私見ですが、その状態が長く続いているため、上位層がそういうものを必要としないことが理由にあるのではないかと。
中間層以下に必要なことはわかっていても、自分達はそれ以外の場所から情報を手に入れることができる。つまり、大規模サイトを作ったとしても自分達にメリットが少なく、ボランティアの側面が強くなります。
奉仕活動は短期ならともかく、長期間続けるのは難しいことです。
だから、立ち上がってもコンテンツが充実するまで続かず、中身がないので廃れてしまって更にモチベーションを失ってしまう。
海外のように、有料化するなど情報面以外のメリットが大きければ良いのでしょうけどね。
そこはサービス大国日本、サービスにお金を払う習慣が薄いため、成立する見通しがつきません。
(少なくとも、私は踏み切れない。)」
引用終わり。
日本に60cardsのようなサイトが定着しない理由の考察でした。
同時に上位層によるデッキ公開が少ないのも、日本にある事実だと思います。
需要があるのに供給が少ないのは、見合う対価が期待できないからでしょう。
私の考えでは、プレイヤーがデッキを公開する金銭以外の動機は、「自己顕示欲」「貢献意識」「利益の還元」の3つです。
「自己顕示欲」は自分のことを知ってもらいたい、認めてもらいたい、あるいは褒められたいといったものです。自己承認欲求とも言い換えられます。
「貢献意識」はコミュニティに自分が役に立っている実感。感謝されたい、という欲求です。
「利益の還元」はコミュニティへのお礼。例えばチャンピオンが、皆さんのお陰で勝てたので、自分にできることとしてデッキを公開します、といった具合です。
うまく説明できているかわからず、また極端かもしれませんが、大筋で当たっていると思います。
プレイヤーのデッキ公開を促進するには、これらに報いる施策を取れば良いと考えます。
このうちの2つ「自己顕示欲」「貢献意識」は、アクションに対して反応があることで大いに満たされるものです。
公開したデッキに対してコメントをもらうことで、前者は(肯定的意見なら)欲求が満たされますし、後者も貢献を実感できます。
つまり、積極的にコメントをやお礼をしていくことが、プレイヤーがデッキを公開していく動機を強めることになります。
上記は一例ですが、動機に対して報いることを徹底すれば、デッキが公開される割合は増えていくと考えます。
デッキの公開を望む方は、公開した人に対してコメントをすることから始めましょう。
うきにんさんの記事を元に、現状の分析と、課題解決への提案の2つを扱いました。
そのせいで、一つの記事としては少し長くなってしまったかもしれません。
ところで、うきにんさんは現状を憂いてはいても、デッキを公開しないことの批判はしていません。
ポケカ全体へのプラスになることだとしても、個々人にそれをする責任はないからです。
課題を分析しながら、バランスを欠かずに公平である。
さすが、うきにんさんです。
※2 Trick Roomに載せたデッキが、アフィリエイトと通販をするデッキまとめサイトに転載されたことがありました。文章のコピーはなく違法ではありませんが、承諾を得ずに商用利用されたことに心情的に納得ができず、取り下げの依頼を行いました。
WCSで活躍した「ファイアロー入りゲッコウガ」のデッキリストを入り口に、日本の状況を憂いている記事です。
http://ukinins.diarynote.jp/201609042350169069/
現実として、日本には60cards※のようなデッキリストやレポート、研究結果を公開するサイトがありません。
皆さん、個々のDNやTwitterで公開しています。
それが情報収集を難しくして、うきにんさんが憂う状況を作っていると考えます。
※http://www.60cards.net/
記事を読んだあと、考えたことを色々とtweetしたので引用します。
「日本の場合、デッキリストの紹介記事やツイートはそれなり以上にあると思います。
しかし個人のスペースで発信されるため、集約されません。
リアルタイムで情報を追っている人しか触れられず、ライト層が情報にアクセスしにくい。
後から追いかけることも難しく、印象として少なく見えてしまいます。」
「デッキリストを集約する試みは、実は定期的に行われています。
しかし、宣伝不足で小規模であったり、無断転載など問題があったり、通販サイト直結で警戒されたりと現在広く定着しているものはありません。」※2
「他のゲームには存在する、大規模な交流サイトやまとめサイトがポケカに存在しないのは不思議です。
必要だと言われ続けて、実行する試みも少数ながらあるのに、なぜか定着しません。
不思議です。」
「以下私見ですが、その状態が長く続いているため、上位層がそういうものを必要としないことが理由にあるのではないかと。
中間層以下に必要なことはわかっていても、自分達はそれ以外の場所から情報を手に入れることができる。つまり、大規模サイトを作ったとしても自分達にメリットが少なく、ボランティアの側面が強くなります。
奉仕活動は短期ならともかく、長期間続けるのは難しいことです。
だから、立ち上がってもコンテンツが充実するまで続かず、中身がないので廃れてしまって更にモチベーションを失ってしまう。
海外のように、有料化するなど情報面以外のメリットが大きければ良いのでしょうけどね。
そこはサービス大国日本、サービスにお金を払う習慣が薄いため、成立する見通しがつきません。
(少なくとも、私は踏み切れない。)」
引用終わり。
日本に60cardsのようなサイトが定着しない理由の考察でした。
同時に上位層によるデッキ公開が少ないのも、日本にある事実だと思います。
需要があるのに供給が少ないのは、見合う対価が期待できないからでしょう。
私の考えでは、プレイヤーがデッキを公開する金銭以外の動機は、「自己顕示欲」「貢献意識」「利益の還元」の3つです。
「自己顕示欲」は自分のことを知ってもらいたい、認めてもらいたい、あるいは褒められたいといったものです。自己承認欲求とも言い換えられます。
「貢献意識」はコミュニティに自分が役に立っている実感。感謝されたい、という欲求です。
「利益の還元」はコミュニティへのお礼。例えばチャンピオンが、皆さんのお陰で勝てたので、自分にできることとしてデッキを公開します、といった具合です。
うまく説明できているかわからず、また極端かもしれませんが、大筋で当たっていると思います。
プレイヤーのデッキ公開を促進するには、これらに報いる施策を取れば良いと考えます。
このうちの2つ「自己顕示欲」「貢献意識」は、アクションに対して反応があることで大いに満たされるものです。
公開したデッキに対してコメントをもらうことで、前者は(肯定的意見なら)欲求が満たされますし、後者も貢献を実感できます。
つまり、積極的にコメントをやお礼をしていくことが、プレイヤーがデッキを公開していく動機を強めることになります。
上記は一例ですが、動機に対して報いることを徹底すれば、デッキが公開される割合は増えていくと考えます。
デッキの公開を望む方は、公開した人に対してコメントをすることから始めましょう。
うきにんさんの記事を元に、現状の分析と、課題解決への提案の2つを扱いました。
そのせいで、一つの記事としては少し長くなってしまったかもしれません。
ところで、うきにんさんは現状を憂いてはいても、デッキを公開しないことの批判はしていません。
ポケカ全体へのプラスになることだとしても、個々人にそれをする責任はないからです。
課題を分析しながら、バランスを欠かずに公平である。
さすが、うきにんさんです。
※2 Trick Roomに載せたデッキが、アフィリエイトと通販をするデッキまとめサイトに転載されたことがありました。文章のコピーはなく違法ではありませんが、承諾を得ずに商用利用されたことに心情的に納得ができず、取り下げの依頼を行いました。
コメント
僕もちょくちょくレシピを掲載しています。1番の理由はレシピの管理がDNが楽だからということですが、誰かの役に立てば嬉しいという「貢献意識」ももちろんあります。
ポケカを初めたての頃はレシピを探すのにも一苦労でせっかく見つけても何年も前のものだったりしたこともありました。
公式サイトに入賞レシピが掲載されてからは本当にありがたく感じます。
はじめまして。日記もたまに見させてもらってます。
そういえば「記録管理用」に掲載する方もいるんでしたね。
今回は人に見せるという点で考えていたのと、自分自身がExcel管理だからか思いつきませんでした。
>せっかく見つけても何年も前のものだったり
1年以上昔のデッキリストがヒットしたと思われる、検索履歴がちょくちょくあります。
需要に応えられたときもあれば、ホドホドさんのようにがっかりして帰られることもあるのでしょうね...
記事の内容を見て、みんな同じこと思ってるんだ、と改めて思いました。他のTCGをしていてデッキを組みなれていたので自分はそこまでデッキビルディングに苦労したことはないですが、中級クラスはやはりデッキ組むのが難しいんでしょうね。
ほかのカードゲームだと、デッキを公開することによって実は追加のアドバンテージが生じます。強力なデッキなら環境に大流行するので環境がわかりやすくなるということ、そして複数の方がそれを検証して進化させ、それを自分の方に還元できるという点です。
ただ、上述の利点は一週間で環境のトップデッキが変化するようなMTGや遊戯王といったカード限定なので、ポケモンではやはり難しいでしょうね。
リンク頂いていきます。よろしくお願いします!
デッキの公開、あると助かるかなぁという思いでちょくちょく載せています。
初めて載せたときの気持ちに「嬉しくなるようなコメントは欲しいけど、気分を害するようなコメントは嫌だなぁ」とか「適切に載せられているか不安だなぁ」といったものがありました。
ともあれ、「載せるとハッピーな気持ちになれる」や「気楽に載せてもOK」といった環境は必要かなぁと雑把に思いました。
あと、リンクいただきますm(__)m
みれさんの考察記事にはいつも考えさせられると思いながら拝見させて位だたいております。
自分の体験に置き換えても、デッキレシピを書くのはなかなか骨が折れますし、
コメントがないと、果たして誰か見ているのだろうかと不安になることもあります。
有言実行で、参考になったレシピには敬意を払ってコメントするところから
初めて行こうと思いました。
リンクいただきます。
>chronoさん
メタゲームに方向性が生れて、対応がしやすくなるということですよね。
この辺は「卵が先か鶏が先か」の問題で、現状のポケカは「公開していないデッキを長期間使える」というメリットを集団で無意識的に選択しているのだと思います。
今の状況で一人だけデッキを公開しても、一方的に不利になりますからね。
>Kurehaさん
先日もデッキリストを公開されていましたね。頭が下がります。
デッキリストを見たとき、疑問点や自分の考えとの違いを聞いてみたくなることがあります。
書き方を間違えると「気分を害するいちゃもん」になるので、掲載者の意気に報いるためにも、建設的な意見交換にするためにもポジティブな表現をしていきたいですね。
>トイさん
そうなんですよね。
デッキリストを公開用に整理するだけでも手間がかかりますし、解説まですると本当に大仕事。
アクセスが増えたことはわかっても、ちゃんと見てくれたのかなあ、役に立ったのかなあと気になって仕方がありません。
デッキリストに限りませんが、気に入った記事にはどんどんコメントをしていきたいですね。
一昔前ならば、個人サイトにデッキ診断掲示板のようなものが存在したので、デッキ公開理由に「デッキへの助言収集」が存在したはずですが、今はもうその風潮すら無くなってしまいましたね。
日本(日本人)が、オンラインコンテンツに対してお金を払う習慣が薄い、というのは僕も重々認識していますし、完全におっしゃる通りだと思います。
その一方で、みれさんもご理解なさっている通り、中間層がアクセスできる情報が非常に限られるのも、ポケカの現状だと思います。
この問題に対する僕の意見はただひとつで、
「すべての自主大会は入賞デッキを公開すべき」というものです。
参加プレイヤーにとっては頑張れば自分のデッキが入賞デッキとして掲載されるという参加動機になり、
大会側にとっては、デッキ公開があることでブログ等の宣伝にもなるので、
双方にとってメリットがあるのではと思っています。
自主大会がデッキ情報を提供することで、上位層と中間層の情報格差の低減にも繋がります。
個人を超えた立場が動かないと、風潮はなかなか変わっていかないと思いますしね。
気に入った記事にはコメントを、というみれさんの姿勢も、すばらしいと思います。
なかなか評価や意見の得られにくいこの界隈で、良いものには良いときちんと言っていきたいですね。
そうですね、デッキを検討し合う場所が公開のネット上になくなってしまいました。
仮にDNで呼びかけても、反応薄そうですしね。
「すべての自主大会は入賞デッキを公開すべき」
ポケカ社会的な要請としても、個人的な要望としてもその通りだと思います。
もっとも、この辺りは自主大会のスタンスに寄って異なると思っています。
例えばGGCは、私からは「仲間内の練習会の延長線」に思えます。
そういう場所だと、内部情報の公開に抵抗があるだろう、と考えるわけです。
リンクさせていただきました。よろしくお願いします。