スポーツや将棋など、一部の競技にはプロのプレイヤーがいます。
TCGにおいても、MTGにはプロ制度があります。
またポケモンの分野では、ゲームではWCS参加者にスポンサーが就いた例があるそうです。※1

※1シンガポールにて、WCS出場権のあるプレイヤーに渡航費を補助する企業がいたそう

ポケカはどうでしょうか。
海外の大会では奨学金※2の名目で入賞者に賞金がでますが、いわゆる"プロ"とは違うように思います。
違いを明確にするために、奨学金という表現を使っているのではないでしょうか。

※2海外の奨学金は、日本と違い返還義務のないものが基本です


この記事では、日本でポケモンカードのプロプレイヤーが誕生する可能性と、その障害になっているものを考えます。


●竜王戦の生放送から読み取れた結論
前年12月27日 ポケモン竜王戦の決勝大会が開催され、大会の様子がyoutubeでストリーミング配信されました。
タイミング良く家にいたので決勝戦のみ観ましたが、それを見て日本でポケモンカードのプロ制度を成立させるのは難しいと思いました。
理由は、

「ハイレベルな対戦に興味を持つ人が少ない」

からです。

ストリーミングにはコメント欄がありましたが、日本語だけでなく他多数の言語が使われていました。
そして最多の言語は日本語ではなかったのです。
厳密に数えたわけではありませんが、英語、日本語、韓国語、他ヨーロッパ諸語の順でコメントが多かったように思います。

日本の大会なので日本人が一番多いのが自然ですが、コメントを見る限りそうではありませんでした。
日本人は決勝大会などの対戦に興味が薄いのでは、と推測しています。


●プロ制度が成立する条件
プロプレイヤーとは競技に参加することでお金を貰う人のことで、お金を貰えるのは対戦が利益につながる価値を生み出すからです。
プロの競技によって生まれる価値は、次の2つに大別できると考えられます。

(1) 観戦料
(2) 広告効果

プロスポーツでは観戦のために入場料を徴収します。
テレビの放映権料も、広い意味では観戦料に含まれるかもしれません。

広告効果には色々あると思いますが、プロスポーツチームが企業名を名乗ることでのブランドイメージ向上が顕著でしょうか。
ポケモンゲームのスポンサーもこのパターンだと思います。
(ポケモンの公式に名前が載るわけではないでしょうから、小規模ですが)
また将棋はタイトル戦の主催が新聞社や出版社で、色々なところで主催者の名前が出てきます。※3

※3例えば竜王戦の主催は読売新聞社です

MTGの場合も、プロツアーがネット中継されるなど広報戦略に使われています。

どちらのパターンも、観戦者がいることで直接間接問わず利益につながることが重要です。
人気の競技の方が観戦者が多いですし波及効果も大きいので、プロ制度が成立しやすく収入も大きくなります。


●ポケモンカードの場合
ここで竜王戦に話が戻ります。
竜王戦のストリーミングのコメント欄を見る限り、日本人は大会の対戦を見ることに興味が薄いと感じました。
プロ制度を作っても、対戦が注目されなければ利益につながりません。
従って、ポケカではプロが成り立たないだろうと考えます。

(レックウザメガバトル、バトルフェスタにおいても、決勝トーナメントのエリアは他のブースよりも人が少ないですね。)


●今後の展望
結論は現時点のものなので、将来的に渡って同じではないと思います。
e-sportという言葉も出てきていますし、可能性はあるでしょう。

WCS2015 VGマスターディビジョン優勝のビエラさんがポケモンのネット界隈以外でも話題になっていたように、「対戦に注目しない」のは日本人そのものの気質ではないと思われます。
ポケモンカードの対戦を観戦する文化さえできてしまえば、可能性は高くなるのではないでしょうか。

ポケモンゲームは動画サイトに対戦実況動画がたくさんアップロードされており、それなりに再生されているようです。
ポケモンカードも同様に動画実況が増えていけば、大会の観戦者も増えていくのではないでしょうか。

イベントオーガナイザー制度が始まり、公式イベントのスタッフにも登用されるなどユーザの公式参加の流れもあります。
専業で生活できるほどではないかもしれませんが、将来的に簡易的なプロ制度ができる可能性は十分にあるのではないでしょうか。

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