解説:2本先取戦 ~ Best-of-three matches とは
2013年6月21日 考察 コメント (1)WCSは大きく分けてLCQ, 予選スイスドロー、決勝トーナメントの3つの段階に分かれます。
そのうち、LCQとトーナメントはSingle elimination方式で行われますが、この方式はBest-of-three matches形式を採用しており、早い話が2本先取で対戦を行います。
※厳密にいえば2本先取ではありませんが、便宜上ここではそう呼ぶことにします。
たねぼーぱぱさんが詳しく解説してくれていますので、一読をお勧めします。
http://seedot.diarynote.jp/201306102336164430/
大雑把に言えば60分間で3戦するだけなのですが、意外と通常の対戦との違いがあります。
「投了」に戦略性が生まれるのが最もわかりやすい例ですが、それだけに留まりません。
ですが、日本では2本先取制の大会は行われません。
他のカードゲームの大会ではよく採用されますが、ポケモンしか経験のない人にとっては未経験のはずです。
そのため、この形式のコツがわからずにLCQに挑むことになる日本人は多いと思います。
実際に経験するのが一番ですが、そうでない場合の参考として、または体験するための下準備として、2本先取特有の考え方があります。
●前提条件
WCS2013のLCQおよび本戦で採用されるルールを大雑把に説明します。
正確性は保証しないので、詳しくは公式資料で確認してください。
制限時間:60分 + 制限時間終了時のプレイヤーのターン + 3ターン
→ 制限時間終了後、2回ワザを使えると考えれば良い
勝利条件:2勝するか、その他判定による
→ たねぼーぱぱさんの記事をご覧ください
先攻後攻:1戦目は通常通りダイストス等で決定する。
2戦目からは前対戦で負けたプレイヤーが先攻後攻を選べる。(お互いがサイドを置いてから)
デッキ:変更できない。サイドボードなどもない
●投了について
ゲーム中の任意のタイミングで投了=負けを宣言することができます。
負けが濃厚なゲームを投了することで、主に2つメリットのメリットを得られます。
1.時間の節約
2.手の内を隠す
制限時間が決まっているので、劣勢ゲームに時間を使いすぎると、次の優勢ゲームの途中でタイムアップになるかもしれません。
このゲームが劣勢でも次のゲームで巻き返せる見込みがあるなら、早めに投了した方が得策です。
またゲームが進むほどに相手に見せるカードが増えていくので、デッキの中身を隠しておきたいなら投了は有効な手段です。
一方で、負けが濃厚なゲームをあえて投了しない戦術もあります。
この場合のメリットは、基本的に投了する場合のメリットの裏返しです。
1.相手の手の内を知る
2.時間を稼ぐ
たとえ負けが濃厚でも、ゲームを進めれば相手のデッキをより多く知ることができるでしょう。
ACE SPECの内容を知りたいなど、情報収集目的でゲームを続けることはあり得ます。
また、特殊な状況では時間を引き延ばすことにも意味が生まれます。
文章で説明するのが難しいので、モデルケースで説明します。
・現在1勝0敗で2ゲーム目が進行中だが、負けペース
・デッキの相性はこちらが不利
・1本目は運よく勝てたが、2本目は負けが濃厚で3本目も勝つことが難しい
・デッキの動きとしてはこちらは速攻デッキなので、序盤はサイドをリードできる
→ 劣勢の2本目を投了せず時間を稼ぎ、3本目序盤のサイドリードしたタイミングで制限時間終了、判定勝ちを目指す
どうでしょうか?
前提条件が多いですが、意味があることが分かると思います。
ただし、ここで意図的に遅いプレイをすれば遅延の反則になるので注意してください。
投了する、しないの判断が様々な形で有利不利につながることが分かると思います。
しかし、一番重要なのは「本当にそのゲームに勝ち目はないのか?」という点です。
一番重要なのですが、こればかりはプレイスキルで判断するほかありません。
●デッキ選択
使用するデッキの選択にも関わってきます。
大きく2つの理由があるので、それぞれ説明します。
・制限時間に起因するもの
60分で最大3ゲーム、つまり1ゲームあたり20分の時間しか用意されていません。
1本先取の場合制限時間は30分ですから、通常よりも短いと言えます。
普段から20分以内に終わるデッキなら問題はありませんが、時間のかかるデッキの場合は注意が必要です。
全勝すれば問題ありませんが、1回負けるとまず間違いなく制限時間までゲームが続きます。
そのデッキが判定勝ちに強い構造になっていないなら、使用は控えるべきでしょう。
・同じ相手と複数回対戦することに起因するもの単直に言えば、「隠し玉」が通用し難くなります。
たとえばスクランブルスイッチ。
このカードは警戒されるかどうかで有効性が大きく変わります。
1ゲーム目ならともかく、2ゲーム目からは不意打ち性が減少するので、カードパワーが多少下がっていると考えて良いでしょう。
デッキ単位で隠し玉である、地雷デッキについても同様です。
1ゲーム目を勝ったとしても、対処法を考えられる2ゲーム目は勝率の低下が予想されます。
●確率の平準化
ゲーム数が増えるため、大数の法則によって確率が平準化されます。
簡単に言うと、
・強い人が勝ち残りやすく、
・相性の良いデッキが勝ち残りやすい
という現象が起きます。
プレイヤーの強弱はおくとして、デッキの相性の点は見逃せません。
「不利だけど運が良ければ1キルすれば勝てるでしょう」というような対処法は通用しません。3分の2の確率で1キル、というのはさすがに無茶です。
より綿密にメタゲームを考えるべきです。
なかなか全てを伝えることはできませんが、少しでもイメージの助けになったでしょうか?
繰り返しますが、一番良いのは実戦を積むことです。
特に投了の判断は難しく、慣れるまでに時間がかかると思います。
最後に、2本先取ならではとは言えないまでも、ただのトーナメントとは違う点があるので付け足しておきます。
●負けが許される
日本の公式大会のトーナメントでは1度負けると終わりですが、2本先取トーナメントでは1回負けても他2ゲームで取り返すことができます。
その特性から、デッキの選択に違いが出る可能性があります。
勝率は高いもののある条件下では極端に勝率が落ちるデッキ、例えば1キルに弱いシビシラスやタマタマを使うデッキは選択しやすくなります。
そのうち、LCQとトーナメントはSingle elimination方式で行われますが、この方式はBest-of-three matches形式を採用しており、早い話が2本先取で対戦を行います。
※厳密にいえば2本先取ではありませんが、便宜上ここではそう呼ぶことにします。
たねぼーぱぱさんが詳しく解説してくれていますので、一読をお勧めします。
http://seedot.diarynote.jp/201306102336164430/
大雑把に言えば60分間で3戦するだけなのですが、意外と通常の対戦との違いがあります。
「投了」に戦略性が生まれるのが最もわかりやすい例ですが、それだけに留まりません。
ですが、日本では2本先取制の大会は行われません。
他のカードゲームの大会ではよく採用されますが、ポケモンしか経験のない人にとっては未経験のはずです。
そのため、この形式のコツがわからずにLCQに挑むことになる日本人は多いと思います。
実際に経験するのが一番ですが、そうでない場合の参考として、または体験するための下準備として、2本先取特有の考え方があります。
●前提条件
WCS2013のLCQおよび本戦で採用されるルールを大雑把に説明します。
正確性は保証しないので、詳しくは公式資料で確認してください。
制限時間:60分 + 制限時間終了時のプレイヤーのターン + 3ターン
→ 制限時間終了後、2回ワザを使えると考えれば良い
勝利条件:2勝するか、その他判定による
→ たねぼーぱぱさんの記事をご覧ください
先攻後攻:1戦目は通常通りダイストス等で決定する。
2戦目からは前対戦で負けたプレイヤーが先攻後攻を選べる。(お互いがサイドを置いてから)
デッキ:変更できない。サイドボードなどもない
●投了について
ゲーム中の任意のタイミングで投了=負けを宣言することができます。
負けが濃厚なゲームを投了することで、主に2つメリットのメリットを得られます。
1.時間の節約
2.手の内を隠す
制限時間が決まっているので、劣勢ゲームに時間を使いすぎると、次の優勢ゲームの途中でタイムアップになるかもしれません。
このゲームが劣勢でも次のゲームで巻き返せる見込みがあるなら、早めに投了した方が得策です。
またゲームが進むほどに相手に見せるカードが増えていくので、デッキの中身を隠しておきたいなら投了は有効な手段です。
一方で、負けが濃厚なゲームをあえて投了しない戦術もあります。
この場合のメリットは、基本的に投了する場合のメリットの裏返しです。
1.相手の手の内を知る
2.時間を稼ぐ
たとえ負けが濃厚でも、ゲームを進めれば相手のデッキをより多く知ることができるでしょう。
ACE SPECの内容を知りたいなど、情報収集目的でゲームを続けることはあり得ます。
また、特殊な状況では時間を引き延ばすことにも意味が生まれます。
文章で説明するのが難しいので、モデルケースで説明します。
・現在1勝0敗で2ゲーム目が進行中だが、負けペース
・デッキの相性はこちらが不利
・1本目は運よく勝てたが、2本目は負けが濃厚で3本目も勝つことが難しい
・デッキの動きとしてはこちらは速攻デッキなので、序盤はサイドをリードできる
→ 劣勢の2本目を投了せず時間を稼ぎ、3本目序盤のサイドリードしたタイミングで制限時間終了、判定勝ちを目指す
どうでしょうか?
前提条件が多いですが、意味があることが分かると思います。
ただし、ここで意図的に遅いプレイをすれば遅延の反則になるので注意してください。
投了する、しないの判断が様々な形で有利不利につながることが分かると思います。
しかし、一番重要なのは「本当にそのゲームに勝ち目はないのか?」という点です。
一番重要なのですが、こればかりはプレイスキルで判断するほかありません。
●デッキ選択
使用するデッキの選択にも関わってきます。
大きく2つの理由があるので、それぞれ説明します。
・制限時間に起因するもの
60分で最大3ゲーム、つまり1ゲームあたり20分の時間しか用意されていません。
1本先取の場合制限時間は30分ですから、通常よりも短いと言えます。
普段から20分以内に終わるデッキなら問題はありませんが、時間のかかるデッキの場合は注意が必要です。
全勝すれば問題ありませんが、1回負けるとまず間違いなく制限時間までゲームが続きます。
そのデッキが判定勝ちに強い構造になっていないなら、使用は控えるべきでしょう。
・同じ相手と複数回対戦することに起因するもの単直に言えば、「隠し玉」が通用し難くなります。
たとえばスクランブルスイッチ。
このカードは警戒されるかどうかで有効性が大きく変わります。
1ゲーム目ならともかく、2ゲーム目からは不意打ち性が減少するので、カードパワーが多少下がっていると考えて良いでしょう。
デッキ単位で隠し玉である、地雷デッキについても同様です。
1ゲーム目を勝ったとしても、対処法を考えられる2ゲーム目は勝率の低下が予想されます。
●確率の平準化
ゲーム数が増えるため、大数の法則によって確率が平準化されます。
簡単に言うと、
・強い人が勝ち残りやすく、
・相性の良いデッキが勝ち残りやすい
という現象が起きます。
プレイヤーの強弱はおくとして、デッキの相性の点は見逃せません。
「不利だけど運が良ければ1キルすれば勝てるでしょう」というような対処法は通用しません。3分の2の確率で1キル、というのはさすがに無茶です。
より綿密にメタゲームを考えるべきです。
なかなか全てを伝えることはできませんが、少しでもイメージの助けになったでしょうか?
繰り返しますが、一番良いのは実戦を積むことです。
特に投了の判断は難しく、慣れるまでに時間がかかると思います。
最後に、2本先取ならではとは言えないまでも、ただのトーナメントとは違う点があるので付け足しておきます。
●負けが許される
日本の公式大会のトーナメントでは1度負けると終わりですが、2本先取トーナメントでは1回負けても他2ゲームで取り返すことができます。
その特性から、デッキの選択に違いが出る可能性があります。
勝率は高いもののある条件下では極端に勝率が落ちるデッキ、例えば1キルに弱いシビシラスやタマタマを使うデッキは選択しやすくなります。
コメント
エクストラ3ターンは、「二人合計」で3ターンなんですね、「一人」で3ターンと勘違いしてました。(汗